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春のほとりで

君嶋彼方

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065363010
ISBN 10 : 4065363012
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2024
Japan

Content Description

五つの「ふたり」の秘密を描いた短編集。

「走れ茜色」
俺とクラスメイトの新藤梓が恋い焦がれる相手は、嫌われ者の秋津悠馬。誰もいない放課後の教室で、部活中の彼を見下ろしながら、「俺と彼女」の時間が始まる。

「樫と黄金桃」
高校生の和香は、幼馴染の雀子と毎日昼休みを過ごしている。しかし、実はある秘密に関して雀子に脅迫されていた。

「灰が灰に」
高校生ながら老け顔で、「おっさん」という渾名でいじめられる長見月斗。彼には、その特性を活かした”秘密のクエスト”が課せられていた。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • J D

     読み終わっても、夕闇に染まるグラウンドを校舎の2階辺りからぼーと眺めている自分がいる。そんな情景が消えない作品だった。男女の友情は成立するのかなとか自分のテリトリーを必死で守る若気の至り、友情に常に疑心を抱く青春の過ち。そんなほろ苦くも青臭い青春がここにはあった。一つの教室を舞台に展開する青春の輝き。大人びた青春、青過ぎる青春。ここにはたくさんの青春があって、読む者を引きつける趣向も凝らしてあって読みやすい。君嶋彼方さん、また、読んでみたい作家さんとなった。

  • みかん🍊

    高校生達の連作短編集、誰と誰が繋がっているのかと考えつつ読み進める、青春と言っても様々、関係ないと鬱々とした人や謳歌している人ジェンダレスの時代男女が仲良くしていたら恋愛とは限らないし様々な関わり方繋がりがあり思いがある、最後はなるほどそういう事だったんだ、青ではなく茜色夕暮れの教室もいい。

  • やも

    またもや胸にピリッとグッと来る話が読めた。学生時代の忘れたいような、忘れられないような、忘れたくないような。黒歴史とも言えるかもしれない、誰もが感じたことがある苦くて熱い、一所懸命というよりは必死な気持ち。追いかけたかったり、逃げたかったり、留まりたかったり…学生時代の色んな居場所。どうしても見つけたい自分の居場所。たしかにその場所が青い春だなんて、誰が決めたんだろう。そう思って読み終えると、タイトルの【春のほとりで】が、眩しいだけのド青春に入りきれなかった感が出てていいね。

  • チーママ

    な・る・ほ・ど・ね〜。いや〜お見事。君嶋さんは初読みだったが、読みやすいし、共感できるし、テンポが良くて私には要チェックな作家さんになった。とある高校に通う生徒らのリアルな日常を描いた短編集。誰しも思いあたる普遍的な内容が題材なだけに、当時の自分と重ね合わせながら読む人もきっと多いはず。キュンとしたり、ウジウジ悩んだり、ダークな部分も描かれて…。青春時代は過ぎてみれば美しい思い出だけど、それだけじゃなかったでしょ?というスタンスがいい。確かにそうだった。これは二度読みしたくなる本。メッチャ面白かった。

  • もぐもぐ

    めっちゃ良かった!とある高校を舞台にした六篇の連作短編。高校生ならではの恋心や友情、葛藤、嫉妬、さまざまな想いが瑞々しく描かれていて、多くの人が自分の高校時代を思い出して懐かしく、でも切なくなるのでは。一人一人それぞれの青春が愛おしい。最後の話にちょっとしたサプライズ、とても素敵な終わり方でした。どの話も良かったけど、冒頭の「走れ茜色」が大好きです。

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