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二人が睦まじくいるためには

吉野弘

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784887470378
ISBN 10 : 4887470371
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2003
Japan

Content Description

〜 初々しいふたりと すこし疲れたふたりに 〜

「祝婚歌」「I was born」などで知られる詩人・吉野弘さんのアンソロジー。
他に、「夕焼け」「奈々子に」など代表作を網羅しました。

「これは、ぼくの民謡みたいなもの」とみずからコメントした詩「祝婚歌」は、
多くの人に暗誦され引用されて広まっています。
「現代詩がひとびとに記憶され、愛され、現実に使われるということは、
 めったにあるものではない」と、茨木のり子さんにも絶賛された一篇です。


二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
(...)
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
              (「祝婚歌」)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やすらぎ

    ゆったりゆたかに光を浴びているほうがいい。健康で風に吹かれながら生きていることの懐かしさ。そんな大切なひとときを見失うと人は壊れてしまうのだろう。ひとりとひとり、ふたりが睦まじくいるためには、互いを尊重する愛と情が大切。人は自分を愛することをやめるとき、他人を愛することをやめてしまう。吹雪のような純白な心などあろうか。降り積もるやさしさの重みを感じる人は他人のつらさを自分のつらさのように受け止めているけれど、明日になれば雲は流れていき、陽射しを探して何処かへ向かうのだろう。冬空に冷たい安らぎが漂っている。

  • モリー

    吉野弘さんの詩の中で、真っ先に思い付くのが「祝婚歌」ではないでしょうか。その詩の冒頭の行がこの詩集のタイトル「二人が仲睦まじくいるためには」です。かつて、同僚の結婚式のお祝いのスピーチでも紹介されていましたが、この詩ほど実用性が高く、人口に膾炙する詩はないかもしれません。茨木のり子さんが寄せた賛辞の中で、この詩の現実的効用に関して面白いエピソードが紹介されていて、思わず「ほ〜」と声を上げました。◆茨木のり子さんは「吉野さん詩は、どうかすると理に落ちてしまうことがある。」と手厳しいが私はそんな詩も好きです。

  • kimi

    一生大事にしよう。

  • itoko♪

    TVなどメディアで紹介される度にお客様からの問い合わせがある、吉野弘さんの詩集。私も読んでみたくなり、借りてみました。『祝婚歌』の【二人が睦まじくいるためには愚かでいるほうがいい 立派すぎないほうがいい】力を抜いて、御互いの行状にも時には目を瞑って、完璧すぎない方がいい、ってことかな。だったら出来ている気がします(笑)結婚式の祝辞で引用する方が多いのも納得。母性を謳った詩や、御自分の娘さんの誕生に詠まれた、【お前にあげたいものは健康と自分を愛する心だ】という一節が、とても素敵でした。

  • だまだまこ

    普段はあまり読まない詩集。冒頭の「祝婚歌」があまりにもよくて何度も読み返した。これから、こんな風に夫婦ふたりで生きていきたいと思った。まさに結婚生活の心得という感じで、偉ぶらない背伸びしない言葉がすっと胸に溶け込んでくる。実際、姪御さんの結婚式の時に贈られた詩だと知って納得。こんな素敵な詩を贈ってみたいものだ。「虹の足」はいつか国語で習った気がするのと、「I was born」は中学で英語を覚え始めた頃に聞いた覚えがあった。受け身で生まれてくるということに対する父子の会話。何度読んでも印象的。

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