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東京復興ならず 文化首都構想の挫折と戦後日本 中公新書

吉見俊哉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121026491
ISBN 10 : 4121026497
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

空襲で焼け野原となった東京は、戦災復興、高度経済成長と一九六四年五輪、バブル経済、そして二〇二〇年五輪といった機会のたびに、破壊と大規模開発を繰り返し巨大化してきた。だが、戦後の東京には「文化」を軸とした、現在とは異なる復興の可能性があった…。南原繁や石川栄耀の文化首都構想、丹下健三の「東京計画1960」など、さまざまな「幻の東京計画」をたどりながら、東京の失われた未来を構想しなおす。

目次 : 序章 焼け野原の東京で―「復興」としての戦後を問い返す/ 第1章 文化国家と文化革命のあいだ―文化による復興とは何か/ 第2章 文化首都・東京を構想する―南原繁と文教都心構想/ 第3章 より高く、より速い東京を実現する/ 第4章 カルチャーの時代とその終焉―東京からTOKYOへ/ 終章 東京は復興したのか―挫折の戦後史の奥底から

【著者紹介】
吉見俊哉 : 1957年(昭和32年)、東京都に生まれる。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環教授。東京大学副学長、東京大学新聞社理事長などを歴任。専攻、社会学、都市論、メディア論、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おおにし

    (読書会課題本)敗戦前の本土空爆が始まった段階で、官僚たちは復興計画の検討を始めたという話には驚くが、終戦直後に聖戦から復興へ舵を切った日本国民の変わり身の速さは日本人の特質かもしれない。当初は文化国家の首都としての東京を構想したのだが、地権や既得権益、省庁間の壁などのしがらみで、すべて幻に終わってしまった経緯が本書でよくわかった。オリンピック誘致のような「お祭りドクトリン」で都市開発が進む日本では、土建国家から脱却して文化国家の道を歩むことは金輪際ありえないだろう。

  • kthyk

    昨日の読書は「覚醒と眠りの中間の世界」と言うマングェルそのもの。漱石、藤村、荷風、有正、吉田健一の街に生まれ、育ち、通い、歩いた我が眠りは戦後の復興により解体され悲しい覚醒。戦前の構想を引き継いだはずの上野も本郷も早稲田も三田も大岡山も今は幻。スピードと便利さ優先により、路面電車と水辺の散歩は先のオリンピックにより高架道路下に消える。軍事は文化に変わったが、文化は経済のお飾り、芸術は文化産業化され、今は広告都市。やがてどの街も記号化され情報化され点滅し実体はない。昨年の「人新生」と同じ、この書は必読です。

  • Francis

    「だから結局、東京は焼け野原のままなのだ。…略…文化的循環=成熟へのプロセスと言う観点からするならば、東京はちっとも復興してはいないのである」(282.3頁より)戦後の東京復興計画には東大あるいは明治、日大、そして早稲田などの大学の近くの学生街を活かして発展させるというなかなか魅力的な案があった。結局それらは実現せず経済成長を志向した都市開発により薫り高い都市文化をほとんど感じさせない東京になってしまったことを記述。私も時々都心にいくがビルが林立するだけの都心には正直あまり魅力を感じない。

  • ゆう

    本書の主題とはズレるが、江戸/明治には断絶があるが、戦前/戦後には断絶はなかったのだということを認識し、呆然としてしまった。

  • sk

    東京にこんな文化都市構想があったとは知らなかった。新鮮な角度からの東京史。

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