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砂の上の植物群

吉行淳之介

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101143033
ISBN 10 : 410114303X
Format
Books
Publisher
Release Date
August/1983
Japan

Customer Reviews

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SMの描写はうまいのか下手なのかよくわから...

投稿日:2021/04/17 (土)

SMの描写はうまいのか下手なのかよくわからなかったが、主人公一郎は「姉をひどい目に合わせてほしい」と少女に依頼されて、実際姉を誘惑し、縛り上げ、それを妹に見せ付けるわけだが、それにあまり心痛めていないところがクールだ。単にサディストとはそんなものかもしれないが、女性からいろいろ手ひどい目に遭わされた後で本書を読むと妙にすっとする。  基本的な骨子はサガンの「悲しみよこんにちは」のパターンなのだけど、それの変態情欲バージョンといったところだろうか。  あと、作者が実父の吉行エイスケ氏をどのように評価畏怖していたかということがわかって興味深い。

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    タイトルはパウル・クレーの絵から。小説中にも何ヵ所かクレーに言及するところがあるが、吉行の思考がクレーのそれに寄り添い、作家の内部にある共感が再確認されるのであろう。小説を書きつつある作家と、小説内の主人公の伊木は客観と主観とが交錯したところにいる。37歳の伊木にはそれなりの過去もあるが、未来はどうやら閉ざされている。したがって彼は過去を引きずりつつ、現在時を生きる。そんな彼にとっての現在とは"性"に他ならない。それのみが不確かであり、故に生を確かめることができるからである。

  • 読みながらその愛情も充実感も感じられない性描写と主人公の孤独感と渇きに、『砂の上の植物群』とはなんて秀逸なタイトルだろうと思った。女性達との秘め事には官能よりむしろ冷めた気持ちを強く感じ、亡くなった父親の年齢を超えてしまった主人公の、父への攻撃的な複雑な想いのほうに少しだけ理解できるものがある。ちなみに本文中に登場する「塔」とは、まだ当時完成して間もない頃の東京タワーだろうし、おそらくエレベーターのことを指すであろう「昇降機」といった呼び方が昭和40年代前半の文学といった香りがして良かった。

  • まふ

    永らく本棚に眠っていた本書を初めて読む。今日の数多い性志向小説の中でも際立つキレと迫力を持っている。内容的には日常生活を跳び越えた世界が描かれるが、これこそいい意味にも悪い意味にも「文学的世界」なのだろう。「第四の新人」と言われていても、安岡章太郎の腑抜けのような私小説世界に比べれば遥かにメリハリの効いた作品であると言える。ならば、この世界が好きか、と問われれば、それは全く別物である。

  • 新地学@児童書病発動中

    吉行淳之介の代表作の一つ。化粧品のセールスマン伊木一郎は18歳の津上明子とふとしたきっかけで身体を重ねてから、倒錯した性愛の世界にのめりこんでいく。際どいことが描かれているが扇情的ではなく、吉行氏独特の繊細で詩的な文章に引き込まれる。男性と女性の間には、決して埋めることができない裂け目が広がっていることが表現されており、現代人の孤独の深さに読み手は寂寞とした想いを抱いてしまう。父の影響から逃れようともがく主人公の姿も印象的だった。

  • 新田新一

    吉行淳之介の代表作の一つである『砂の上の植物群』を読みました。セールスマンの伊木一郎は、街で偶然出会った18歳の津上明子と彼女の姉の京子の二人に惹かれ、自分の中の嗜虐性に目覚めて、アブノーマルな性愛にのめり込んでいきます。吉行淳之介の作品の中では、ポルノ的な要素が強いです。ただし、この作家は人間の性の範囲からはみ出してしまう部分を描くのも巧みで、ここでも亡き父の影響に翻弄される伊木の姿が詳細に描かれます。生と性を切り離さないで描く姿勢に私は昔から惹かれています。ただ女性の描き方に難があり(コメント欄へ)、

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