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遠くの街に犬の吠える ちくま文庫

吉田篤弘

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480436917
ISBN 10 : 448043691X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

差し出した掌へはらはらと舞い降りてくる白い小さな花びらのようなものは、萬年筆の青インクがにじんだ文字の断片をのせた、ちぎれた便箋だった―消えゆく声、届かなかった言葉、過去の音、コーヒー、古びたビルディング、屋上…いくつもの偶然によって織りあげられる吉田篤弘の世界。秘められた恋と、ささやかな冒険のものがたりが始まる。著者による解説「遠吠えの聞こえる夜」収録。

【著者紹介】
吉田篤弘 : 1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    非常に面白い本でした。筋らしい筋はあんまり感じられないのですが、読んでいるとこの世界に引き込まれてしまいます。恋文のようなものがいくつもあったりして、それが数多く集められていたりします。話があちこち飛ぶような感じもあります。また単色の写真が時たま挿入されていてそれがアクセントになるような感じを与えてくれます。

  • へくとぱすかる

    所々に挿入されたモノクロームの写真。黄昏時の、現実と過去が奇妙に混乱して、自分がざらついた世界に溶解していくような感触。遠吠えの先にある、聴こえる限界ぎりぎりの音と読めない文字と同調するように、作者自身の登場する物語が進んでいく。写真が物語の装飾なのではなく、写真から読み取れる言葉を物語に再現してみせたような小説。夜半に静けさの中で読み終わると、入れ子になったエピソードが、何度も地と文が入れ替わっていくような、次元のちがう世界に連れていかれるような感覚にとらわれる。それは解読してはいけない言葉だったのか。

  • 南雲吾朗

    素敵な小説である。広義的には恋愛小説になってしまうのかもしれないが、その枠に納まらずとにかく素敵だ。音で観る冴島君、強制的ではないが自分の思った方向に導く茜さん、代筆屋の夏子さん、主人公の吉田君、そして、私が何よりも素敵だと思う白井先生。登場人物がみんな個性的であるが凄く魅力のある人達であった。吉田篤弘さんは何でこんなにも楽しく、面白く、そしてちょっぴり切ないストーリ紡ぎだせるのか…本当に素敵だ。ふと思ったのだが、私にとって吉田さんの小説は、長い旅から帰ってきた我が家の匂いがする。どことなく安心するのだ。

  • 優希

    偶然に偶然が重なってできる美しい協奏曲のような物語でした。

  • ともこ

    代筆を装いながら、心を寄せる辞書編集者に手紙を書き続けた女性の話。老編集者の最期の手紙を読んで、静かなモノクロ写真が突然温かい色彩に包まれたような気がした。見えるものだけでなく、聞こえるものだけでなく、たまには心静かに聞こえざる声を聴いてみたいと思った。そういえば、犬の遠吠えを聞かなくなった。「さみしくない」のか、最近の犬?最後のページに「装幀者安野光雅」の文字を見つけた。どのように関わられたのかわからないが嬉しかった。

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