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昔話 講談社文芸文庫

吉田健一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062903387
ISBN 10 : 4062903385
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一九七七年、英仏旅行から帰国後六十五歳で急逝した吉田健一が七五年から七六年に執筆した文明評論。西欧と日本、文明と野蛮、英文学を論じてきた著者が、ホメロス、シェイクスピア、ナポレオン、ワイルドから清少納言、秀吉、鴎外まで、史実と逸話を織り交ぜ、古今東西を融通無碍に渉猟し、「世界」を読み解いていく。深い教養と類稀な文学センスに貫かれた、最晩年の佳品。

【著者紹介】
吉田健一 : 1912・3・27〜1977・8・3。批評家・作家。東京都生まれ。ケンブリッジ大学中退。外交官の父吉田茂(後の首相)の任地に従って中国、フランス、イギリスで育つ。1931年、大学を退学して帰国。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、39年、中村光夫らと同人誌「批評」を創刊。戦後は翻訳、評論、随筆と一挙に幅広い活動を始め、言葉による表現の重要性を唱えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 豆茶

    文明、人間、ヨーロッパについての評論。読了まで時間かかった。まず知的水準に置いて行かれ、読点のない長ーい一行を読み取るのに集中力が必要で、咀嚼するのに疲れましたが、滋味のある文章だなと思います。死(死んだ人間)と生(まだ死なない人間)についての考え方、歴史というもの――昔と今は区切られるものではなく、持続する時の流れの中に血の通った温もりのある『人間』がいるということ――といった捉え方。なるほど、こういう世界の捉え方から、生者と死者の静かな交わりを描いた「化けもの屋敷」や「幽霊」が生まれたのかと納得。

  • Haruka Fukuhara

    ときどき意味をとるのが難しい文がある気がする。でも結構面白い。

  • ダージリン

    著者のことは全く知らずに題名に惹かれて読んでみることにしたのだが、吉田茂の長男だったとは。「昔話」という題名ではあるが、文明論といった趣きで、かなり自由に語っていく。話題は自在にあちらこちらへと飛び回り、また戻ってもくるのだが、採り上げる話題が幅広くて飽きさせない。

  • garyou

    文明とは、といふ話だと思ふが、その一方で「洗練とは」といふ面もあるやうに思ふ。

  • 白いハエ

    文章の読みにくさ相当のものだが、さらっと読みやすく読み通せてしまう文章には出せないキレがある。例「今をなしているものは昔である。又我々は未来小説と言った形でこれから先のことを語ったものがどれだけ退屈であるか皆知っている。その例外にヨハネの黙示録とオォウェルの『一九八四年』があるが退屈でない理由をこの二つに就て求めるならば何れもこれから先のことと断って置きながらそこにあるものは今とその今をなしている昔、及びこれに対する語り手の情熱であって……」(p228) 今の時代でこの文章を書くのは不可能である。

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