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妊娠したら さようなら--女性差別大国ニッポンで苦しむ技能実習生たち

吉水慈豊

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784797674521
ISBN 10 : 4797674520
Format
Books
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

なぜ、技能実習生の赤ちゃん遺棄事件は続くのか――。
妊娠を理由に職を追われ、帰国させられる外国人の労働者たち。
ベトナム人を支援する女性僧侶が、妊婦の悲しみと苦しみに寄り添った記録を綴る。
ベトナム人の「失踪」が相次ぎ、「奴隷労働」と国際的に批判された外国人技能実習制度。

その廃止は決まったけれど、近年は技能実習生が孤立出産に追い込まれ、赤ちゃんの死体を遺棄する事件が立て続く。
どうして「悲劇」は繰り返されるのか? 新制度が始まれば、もう起きない?
マタハラが許されないこの時代、まるで妊娠したことが罪であるかのように仕事をやめさせられ、日本から追い出される数多くのベトナム人女性たち。
寄る辺なく悲しみ、悩み、苦しみを抱えたそんな妊婦のために戦い、新しい「いのち」の誕生をやさしく支えてきた女性僧侶がいる。
その慈悲の記録は、日本社会にいまだ残る「男尊女卑」をも映し出す。

マタハラが横行する技能実習生・留学生の妊娠・出産・育児
●「妊娠は病気だから仕事はできません」と会社に言われた
●退職させられそうでも技能実習の関係機関は支援しない
●児童相談所が赤ちゃんを連れ去り、帰国させようとした
●60代日本人男性との子を出産し、認知を拒否される
●出産後の保育園探しに難航し、育児疲れで孤立する

【著者略歴】
吉水慈豊(よしみず・じほう)
NPO法人日越ともいき支援会代表理事、浄土宗僧侶。1969年、埼玉県出身。大正大学を卒業後、1996年に浄土宗の伝宗伝戒道場を成満し、僧侶となる。日本に在留するベトナム人技能実習生・留学生などが若くして命を落とすことに憤りを感じ、2013年に日越ともいき支援会を設立し、その命と人権を守る支援活動を開始する。ベトナム人技能実習生・留学生の増加にともない、劣悪な環境に置かれている彼らからの相談が急増。活動は住居の確保、帰国困難な若者たちの保護、労使交渉、妊産婦支援などにまで及び、当会は2020年に東京都より非営利活動法人として認可された。本書が初の著書。

【著者紹介】
吉水慈豊 : NPO法人日越ともいき支援会代表理事/浄土宗僧侶。1969年、埼玉県出身。大正大学を卒業後、1996年に浄土宗の伝宗伝戒道場を成満し、僧侶となる。日本に在留するベトナム人技能実習生・留学生などが若くして命を落とすことに憤りを感じ、2013年に日越ともいき支援会を設立し、その命と人権を守る支援活動を開始する。ベトナム人技能実習生・留学生の増加にともない、劣悪な環境に置かれている彼らからの相談が急増。活動は住居の確保、帰国困難な若者たちの保護、労使交渉、妊産婦支援などにまで及び、当会は2020年に東京都より非営利活動法人として認可された。本書が初の著書(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • たまきら

    新刊コーナーより。私たち日本人女性がジェンダー格差で不愉快な経験をしているなか、もっとひどい思いをしている人たちがいる…。人を人とも思わない海外実習生への対応について、もっと知ってほしいです。「これだから外国人は使えない!」とか、「ベトナム人はすぐ逃げる!」なんて言う前に。だって…「そりゃあ逃げるよ!」って心から思いましたもん。外国人労働者に依存しているくせに、優位なつもりでいる人間にはなりたくない。人(女性)にやさしくない国は力を失います。他人ごとではありません…。

  • りんご

    ぐあー、難しい。妊娠はめでたい事だし、子供は宝。でも技能実習中に妊娠したらさあ、その後のこと考えたらさあ、、、。って思いつつも、女性はあくまでも受け身なので、本人が望んでなくても妊娠する可能性があるのよね。妊婦は保護したい、子供も健やかに育ってほしい。そのためには日本なんて産みにくい国で頑張らない方が良さそう、、、。

  • kitten

    図書館本。おもにベトナムの技能実習生が妊娠した場合にどうなるのか。基本的には、帰国させられる。そのため、ぎりぎりまで隠そうとして、さらに問題になる。正直に言うと、私にも、「外国から実質出稼ぎに来ておいて、なんで妊娠するの?」という想いはある。でも、短期間ならともかく、長期滞在を目指すような人は若い人なんだから、そりゃそういう事例も増えるよ。支援制度もあるんだけれども、とにかく面倒くさくてハードルが高いので、避けようとしてしまう。ちゃんと考えていかないと。

  • CCC

    メインタイトルから真っ先に連想したのはシンガポールだった。シンガポールのメイドは半年ごとに妊娠検査があり、妊娠が発覚すると強制送還だが、現状日本の法はそこまで非情ではない。しかし法はそうでなくとも、会社が法を伝えずむしろ隠蔽し、独自ルールを押し付け、場合によれば脅しを加えたりするので、実質的に似た状態になっている様子が見て取れる。法より社内ルールが優先されがちな日本の労働環境が反映されているとも言えそう。それでも改善する気があるなら未来はあるが、シンガポール的開き直り路線に向かう可能性もあり油断ならない。

  • トト

    時々ニュースになることで見聞することが多い技能実習生。近年増えた胎児の死体遺棄事件がなぜ起きたかを見ていく中で顕になった弱者の悲劇を、支援する立場から世間に訴えるドキュメンタリー。人権を無視して労働力としてこき使う、日本の悪い癖が根本にある。技能実習生という逃げ道のない弱者に対しての問題だが、女性であったり立場の弱い男性に対しても、結局本質的な部分は同じと思われる。搾取される側より搾取する側になれという教育を無自覚にしてきた結果、日本が世界に搾取されても自己責任として完結するようになったのは当然の結末。

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