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吉屋信子集 生霊

吉屋信子

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480422439
ISBN 10 : 4480422439
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2006
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

小女小説から家庭小説、歴史小説まで不朽の名作を数多く遺した吉屋信子は、戦後の一時期、憑かれたように怪談風短篇の筆を執った。分身の恐怖と恍惚、霊となって故郷をめざす兵士、老いてなお艶やかな媼の幻影、内なる魔に駆られ数奇な運命をたどる麗人たち…作者みずから「世にも不思議な物語」と呼ぶ異色短篇の数々は、読者をして物語の豊饒に酔わしめるであろう。文庫初収録作品、多数。

【著者紹介】
吉屋信子 : 1896〜1973。新潟に生まれ、栃木高女在学中から雑誌投稿をくり返し、1916年『少女画報』に「花物語」を連載。女学生のバイブルと言われ人気作家となる。以後、女性の生き方をおもなテーマに、純文学から歴史小説まで幅広く活躍

東雅夫 : 1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 明治期から大正・昭和期の「花物語」、戦...

投稿日:2009/12/06 (日)

 明治期から大正・昭和期の「花物語」、戦後の「鬼火」に挟まれる中間期に発表された幻想小説集。

白塗りのサル さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こうすけ

    このまえ読んだ講談社文庫の『鬼火』と合わせると、これにて吉屋信子怪談小説は網羅できるらしい。かぶってるものも少ないので合わせて読むと確かにお得。こちらも水準が高く、面白い作品が多い。ドッペルゲンガー、不条理な悪への欲求、といったモチーフが繰り返されるのは、この人の作家性か。

  • Kikuyo

    自信の屈折した分身、幻想であるのに実体を持っているかのような感覚。悲しい結末や戦争が暗い影を落とすもの。どの作品も味があって良かった。「茶道」のシーンが効果的に使われるものなど独特の気品のようなものが感じられ、美しい表現の中に怪奇そのものよりも人間の内面に潜む「ふとした暗さとか闇」の部分にハッとする。

  • ベル@bell-zou

    戦争前後の不穏と不安が漂う時世を背景に、市井の出来事として淡々と綴られる物語。生きている人間が一番恐ろしいとはよく言うが、時折、説明のつかない結末に首筋がザワリとする。悪意のない嘘や誤解で利を得、怯える。自らの所業とは信じ難い魔が差す。何かを奪うことそのものに快楽を覚える。心の闇に棲む悪は時に不条理を生み戦後の淀んだ世の中に紛れ運命を導く。中でも「憑かれる」「海潮音」が印象的。最後の随筆4編も興味深い。泉鏡花からの影響や同時代の作家との繋がり。東雅夫さんの解説に読書不足を反省。探した甲斐がある本になった。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「花物語」などの透明な切なさが溢れる少女小説で有名な吉屋信子さんが怪談を書いていたことに驚きました。怪談と言ってもミステリー的な要素もある不思議な戦中から戦後の物語という印象を受けました。

  • 兎乃

    先日『花物語』の「燃ゆる花」「釣鐘草」を友人と朗読。瑞々しい少女小説を書いた吉屋信子が、ロマンチシズムを一切加えない非情な視線をもって人間を見つめた時、静かにえぐるような深みをもつ物語がうまれる。すべての文藝好き、幻想文学好きが納得する一冊だと思います。

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