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朝鮮民族を読み解く

古田博司

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480089038
ISBN 10 : 4480089039
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2005
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

北朝鮮・韓国ともに近代化に向けてじつは共通の苦闘を演じてきた。宗族を中核にした自分たち「ウリ」とそこから排除された他人たち「ナム」との間の深淵をどのように埋め、国民国家としての一体感を形成するのか?かたくなな「儒」の世界と大らかな「野」の世界に接点はあるのか?「恨(ハン)」はいかにして解けるのか?朝鮮文化の根底にある思考行動様式を、日常生活にさまざまに現れた具体的なエピソードを通して、初心の者のみが抱きうる素朴な疑問・関心をテコに、鮮やかに読み解いた、平明で奥深い朝鮮文化入門書。

目次 : 第1章 韓国人の人間関係/ 第2章 北朝鮮の古くて新たな挑戦/ 第3章 宗族か民族か「個人」か/ 第4章 ウリとナムの力学/ 第5章 理気の世界/ 第6章 「事大」と「小中華」

【著者紹介】
古田博司 : 1953年生まれ。慶応大学大学院東洋史専攻修士課程修了後、ソウル大学大学院で韓国語教育法を学んだのち、延世大学、漢陽大学などで日本語講師を務める。滞韓6年の後、帰国。下関市立大学を経て、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。東アジア政治思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • nnpusnsn1945

    朝鮮半島においては、南北共に中華思想と朱子学が混ざった考えが根本に存在しているようだ。特に朱子学は根強く、過剰なまでに生活に入り込んでいるらしい。朝鮮文化の入門書だが、著者の実体験も混ざっていて面白い。

  • kenitirokikuti

    10数年ぶりに再読。もともと95年の本で…金日成が死んだ翌年になるな…05年に文庫落ち、新あとがきには「ウリ」意識が緩くなったとある。08年の北京五輪後に中国のバブルは始めざるをえないだろうし、そのとき南北朝鮮は中国へ寄って戻らないだろうか、と著者は書いている。うーむ、韓国の「事大」が中国に戻って、「ウリ」意識が強まったのだろうなあ▲「恨(ハン)」について。朱子学の規範が民衆にも注入されたため、先祖や年長者を(女にとっては男を)咎めることができないので駄々っ子をやる。…これは私の意訳だが、向こうにあるなぁ

  • Yasomi Mori

    良書。日本から見て世界の中心が中国、その文化受容に関しては優等生の朝鮮に劣等感がある、という構図は知っていたが、他方で、朝鮮半島も中国に対する強烈なコンプレクスと日本への侮蔑意識が歴史的に根深いと。家族、宗族を核とした内=ウリと外=ナムの断絶が深すぎ問題。血族を越えた信頼関係を結ぶシステムがなく、絶えず接待を繰り返さねば不安。階級差が歴然とあり、伝統的に中流階級が存在しない世界。「たかり」による再分配が社会に安定をもたらす。国民や民俗の団結は弱いが、ウリの団結力は強い。小国の現実と大国のごとき楽観の分離。

  • うえ

    北朝鮮最高のイデオローグの一人、黄長熿が著者に語った主体思想の中身が興味深い。一、マルクスよりフォイエルバッハの方が優れている、二、人間が自らを禽獣と分ける基準は主体性である、三、人々が主体的に生きるには、統一させるための司令部である脳髄がいる。これが首領である、四、主体思想は神でなく、人間を信じる宗教である。「右翼活動をなさった方には、三点目が懐かしいかと思われる…左翼活動経験のある方々は、そもそもの第一点目で唖然とされるだろう」四点目ゆえに統一協会文鮮明は金日成と握手をかわせたのだという。。

  • sansirou

    朝鮮民族が持つ朱子学にその根拠を持つウリとナムの独特の感性と、明朝由来の小中華主義について書かれているけれど、そんなことあるのかなぁ、という感じですね。儒教的素養などは分かりますが、何度か旅行に行った感じでは、そこはわからないのかな。一つの意見として、聞いておきます、という感じでした。

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