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鐘を鳴らす子供たち 小学館文庫

古内一絵

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094072846
ISBN 10 : 4094072845
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

物語は高度成長期の昭和48年、伝説のラジオドラマ『鐘の鳴る丘』に出演した当時小学生の一人、良仁への一本の電話から始まる。それは『鐘の鳴る丘』の脚本家・菊井一夫の葬儀を知らせる電話だった。菊井との記憶に思いを馳せる良仁の脳裏には、主題歌「とんがり帽子」が流れていた。昭和22年、ほとんどの子供がいつもお腹を空かせていた時代。良仁は同じ小学校に通う数名と一緒に、突然『鐘の鳴る丘』に出演することに。それは、戦争への負い目を胸に抱く大人たちと共に、戦争の爪痕と向き合い、未来への希望を模索する日々であった。心に残る名作、待望の文庫化。

【著者紹介】
古内一絵 : 東京都生まれ。『銀色のマーメイド』で第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選出。第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • niisun

    敗戦後の日本を東京郊外の小学生たちの目から描いた実話をベースにした物語。ラジオ劇『鐘の鳴る丘』のことは始めて知りました。私の祖父は戦前・戦中・戦後を通じて小学校の教師をしていたので、この物語に登場する菅原先生と同じような葛藤を抱かながら生きたんだろうと思います。また、私の両親はまさに、物語の主人公たちと同世代ですが、父は田舎の農家の長男で、母は比較的名の知れた会社の社長令嬢だったので、かなり事情は違ったのだろうと想像がつきます。ここでは、都心から少しだけはなれた場所という地域性が色濃く感じられましたね。

  • エドワード

    戦後、「鐘の鳴る丘」というラジオ番組が大人気を呼んだ。戦災孤児たちが協力して児童福祉施設を作る物語。素人の小学生が出演した。終戦後、小学生たちは教科書を墨で塗ったり、御真影の礼拝がなくなったり、突然の変化に驚く。そこへラジオ劇への出演だ。練習や生放送の緊張も興味深いが、本当の戦災孤児に会い、彼らから「あまりに嘘っぱちなので聴くのをやめた」と言われる場面が印象的だ。しかし全国の聴取者からの声に励まされ、公開生放送を成功させる。民主主義、基本的人権、アメリカへの複雑な思い。子供の眼から見た、生きた戦後史だ。

  • リュウジ

    ★3 すごいなぁ。地べたから立ち上がり再び始めようとする人たちは。なんせ誰もが勝つと信じた戦争に負け、あるゆる仕組みや価値観≒アイデンティティが崩壊したまんまの昭和22年だ。子供たちを元気づけたい、勇気を与えたい。キレイごとだろうが嘘臭かろうが、あるのはそんな熱い気持ちだけ。心に種を撒いておけば、やがては生きる力となる。たとえ未来に再び裏切られても。しかし、どっちも逞しいな。生きるために悪に手を染めた上野の戦災孤児たちも、大人と時代に欺かれた子供たちも。どちらも正解。小説としてはちょっと作り過ぎだけどね。

  • シナモン

    大学生の演劇で「鐘の鳴る丘」を観て、原作を探しているときに、この作品を見つけました。読んでいるときに「鐘の鳴る丘」の内容を思い出したり、それぞれの生きるための行動力に何度泣かされたかわかりません。 菊田一夫先生に万年筆をもらって、その後作家になった佐野美津男さんの作品も読んでみたい。

  • はなちゃん

    史実をモチーフにした小説とのことだが、戦後の混乱期、たくましく生き抜いた人達の物語は、どんどんひきこまれ読めた。忘れてはいけないことが、お説教臭くなく、たくさん盛り込まれていた。

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