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往復書簡 「遠くからの声」「言葉の兆し」 講談社文芸文庫

古井由吉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065263587
ISBN 10 : 4065263581
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

一九九七年から九九年にかけて二人の作家が、オスロ/仙台〜東京間で、二十世紀末という時代と文学について手紙を介して語り合った『遠くからの声』。その十二年後、東日本大震災に遭遇して言葉の力を根底から問う者、戦災の記憶をたぐり歴史と語りの相にふれる者として、再び紙上で相見えて世界を建立する『言葉の兆し』。魔術的とさえいえる書簡集。

目次 : 遠くからの声(1(時間の内実/ 見ることから学んでゆく/ シャーレの巣作り ほか)/ 2(叫びについて/ 大いなる静まり/ 樹の風景 ほか)/ 3(屋根裏部屋/ 焦りと回復/ 見知った人 ほか))/ 言葉の兆し

【著者紹介】
古井由吉 : 1937・11・19〜2020・2・18。小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白猫」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「沓子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと“内向の世代”と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞

佐伯一麦 : 1959・7・21〜。小説家。宮城県生まれ。高校卒業を機に上京。週刊誌記者、電気工などを経て作家活動に専念。1984年、「木を接ぐ」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。90年、『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年、「ア・ルース・ボーイ」で三島由紀夫賞、97年、『遠き山に日は落ちて』で木山捷平文学賞、2005年、『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年、『ノルゲNorge』で野間文芸賞、14年、『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整文学賞、20年、『山海記』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    「私」を完全に離れて小説を書くことはできるのか、という問いが私のなかにずっとある。この往復書簡はそれに対してのひとつの答えを提示してくださっているように思う。時代や環境の推移、降りかかってくる病による苦痛、とどめのように起こる東日本大震災。1997年から始まり、震災を機に十数年のときを隔てて再開されたやり取りに、変わらざるを得ないもの、不変のものを感じた。ああ、これが作家の仕事なのか。

  • RIKO

    図書館で借りてきましたが、読み進めるうちに、これは手元に置いて、何度も読み返すものと思い、買い直しました。 古井氏と佐伯氏の書くところを理解できていないところもあるけれど、交わされた内容と言葉をかみしめたいと思いました。

  • 白いハエ

    古井氏と佐伯氏では親子ほどの年齢差があるはずなのに、生来のものと思えるほどの親密さに驚く。静謐に世事を見つめ、端正にいまを言葉に起こし、書簡として交わし合う。往復する。その「間」は頁によって隔たれるが、しかし、時の流れと(日本とノルウェーという)地理的距離が、しかと感じられる。この「空間」性は往復書簡でしか味わえない旨味に思える。同時に二十世紀末、バブル崩落や公害、社会的事件から、3.11まで、あくまで言葉と思弁によって対象化していく語りは、解説にある通りの「共同体」として特異な「空間」として映った。

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