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義経伝説と為朝伝説日本史の北と南 岩波新書

原田信男

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004316923
ISBN 10 : 4004316928
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2017
Japan

Content Description

歴史に名をのこす英雄、源義経とその叔父為朝。だが確実な史料は少なく、膨大な「英雄伝説」のみが流布する。とくに義経伝説は主に北海道へ、為朝伝説は琉球へと広まり、彼らの像は大陸の覇者や王朝の始祖的存在へと飛躍を遂げる。なぜそうなったのか?二人の伝説を通して北と南から「日本史」を読み解く、刺激的な一書。

目次 : 第1部 英雄伝説はどのように生まれたか―北と南の中世(北の義経伝説―東北から蝦夷地へ/ 南の為朝伝説―南九州から琉球へ)/ 第2部 英雄伝説はどのように広がったか―近世の変容(海を越える義経伝説―蝦夷地から大陸へ/ 浸透する為朝伝説―琉球王朝の祖として)/ 第3部 「史実」化していく伝説―帝国の「英雄」(義経伝説の飛躍―北海道開拓史のなかで/ 為朝伝説の完成―日本化の根拠に/ 伝説の領域―北と南の相似性)

【著者紹介】
原田信男 : 1949年栃木県に生まれる。1983年明治大学大学院博士後期課程退学、その後、札幌大学女子短期大学部専任講師を経て、ウィーン大学日本学研究所・国際日本文化研究センター・放送大学の客員教授を歴任。国士舘大学21世紀アジア学部教授、史学博士。専攻は日本生活文化史。著書に『江戸の料理史』(中公新書、1989年、サントリー学芸賞受賞)、『歴史のなかの米と肉』(平凡社選書、1993年、小泉八雲賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • へくとぱすかる

    警戒しなければならないのは、伝説が歴史になりたがること。日本で夜郎自大的な考え・思想が始まった時代から、共時的にからみあって、また支配者に利用されたのが、義経と為朝(何と、甥と叔父である)の二人の英雄伝説であったと説く。北海道と沖縄を、有史以来の中央政権が、どのように考え、見ていたか、どのように扱ってきたか、まずはここに述べられた史実を知っておくべきだろう。義経=ジンギスカン説も、その源流から現代までが述べられるが、偽史や伝説は信じ込むのではなく、資料の性格を見極め、客観的に接する態度が必要だ。

  • HANA

    義経成吉思汗説と為朝琉球渡り。本書ではこれらの伝説を取り扱っているが、本当の眼目は伝説の伝播と発展であろう。時代によってその内容が書き換わる義経と、双方の政治的都合によって発展する為朝。その差はあれど両者とも「中央」の都合によって内容が変遷する様が興味深い。義経伝説の方は戦前大陸への拡大の理由付けとしての面が目立って歴史は浅いものとばかり思っていたが、その根が江戸以前からあったとは思いもよらなかった。金、清から元の租へと変わる様子、また成吉思汗説にシーボルトが絡む等思いもよらぬ歴史を楽しむことが出来た。

  • 黒猫

    タイトルと思っていた内容が違った。各地の義経伝説や為朝伝説をいろいろ知れるのかと思っていたら、蝦夷と琉球がいかに酷い扱いを受けてきたのかということが、主になっている。義経伝説は蝦夷の開拓に伴い広まっていき、為朝伝説は琉球の本土帰属に伴い広まっていったということ。源為朝を目当てに読んだが、特に目新しい話はなく残念でした。タイトルも蝦夷と琉球の侵略史に変えた方が良い。タイトルそのまま見て読むと勘違いします。北海道と沖縄が昔から酷い扱いを受けていたのはよくわかりました。

  • Toska

    義経伝説も為朝伝説も、「貴種流離譚」や「英雄不死願望」だけでは説明のつかない深みを持つ。それは日本人の境界・異域認識をダイレクトに反映し、時代ごとに大きく変化するものであった。北に向かった義経はアイヌ世界を踏破して大陸に足を踏み入れ、南の為朝は琉球の覇者となる。日本の近現代史を振り返るなら、彼らの旅路が単なる歴史のロマンにとどまらない剣呑なものを含むことは否定できない。本書はその辺りの危うさに鋭く切り込んでいる。

  • ようはん

    源義経=チンギス・ハーン説のような非業の死を遂げた英雄が遠く離れた場所で生きていたという伝説はロマン溢れて好きなんだけど、蝦夷や琉球支配に都合良く利用されていた側面もあった事を知るとうーん…となる。

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