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川端康成 孤独を駆ける 岩波新書

十重田裕一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004319689
ISBN 10 : 4004319684
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2023
Japan

Content Description

二〇世紀文学に大きな足跡を残した川端康成は、その孤独の精神を源泉に、他者とのつながりをもたらすメディアへの関心を生涯にわたって持ち続けた。マス・メディアの成立、活字から音声・映像への展開など、メディアの状況が激的に変化していく時代のなかを、旺盛な創作活動のもとに駆け抜けていった作家の軌跡を描きだす。

目次 : 第1章 原体験としての喪失―出生から上京まで(天涯孤独の感覚と他者とのつながり/ 川端康成の日本語観 ほか)/ 第2章 モダン都市とメディアを舞台に―「伊豆の踊子」と「浅草紅団」(新感覚派の旗手として/ 一九二六年、映画との遭遇 ほか)/ 第3章 戦中・戦後の陰翳―書き続けられる「雪国」(文芸復興期前後の活躍/ 言論統制と「雪国」 ほか)/ 第4章 占領と戦後のメディアの中で(知友たちの死と鎌倉文庫/ GHQ/SCAP検閲下における創作と出版 ほか)/ 第5章 世界のカワバタ―「古都」から「美しい日本の私」へ(文学振興への献身/ 翻訳と「日本」の発信 ほか)

【著者紹介】
十重田裕一 : 1964年東京都生まれ。日本近現代文学専攻。博士(文学)。早稲田大学文学学術院教授・国際文学館館長、柳井イニシアティブ共同ディレクター。著書に、『横光利一と近代メディア―震災から占領まで』(第30回やまなし文学賞、岩波書店、2021年)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    川端文学では孤独や別離が繰り返し描かれるが、当人は逆にメディアを通じ世間との接触を積極的に求めた。草創期の映画と関わり、作品が相次ぎ映画やドラマ化され、ペンクラブ会長として文壇のスポークスマンとなるなど名声を求めた姿は「孤高の作家」とのイメージからは遠い。従来の伝記では言及されなかった矛盾点を列挙していくと、威厳を保ちつつ世の注目を浴びようとする処世術の巧みさが見えてくる。幼くして孤児となり世の不条理や痛みを知る川端は、誰も無視できない存在になりたかった。その頂点たるノーベル賞を求めたのは当然だったのだ。

  • 佐島楓

    川端康成とメディアとのかかわりを書いた評伝。映画やさまざまな紙媒体など、いわばメディアミックスの先駆けを自分の作品で行ってきた作家だったことを再認識する。副題の「孤独」に関しては突っ込み切れていない気もしたが、いずれにせよゆっくり再読をしていきたい。

  • ころこ

    川端の権威的で美意識が強いパブリック・イメージは読む前から既に定まったものであり、真に読むということから遠ざけられた作家だ。本書は川端をメディア論として論じることで、そのイメージがどの様につくられたのかを問う。前半では前衛的な、読者を裏切る新しい川端像を描く。無声映画を共同製作して新しいメディアに関心を抱いていたことを、声に着目していたことを、北条民雄との交流でマイノリティを、女性作家の支援でジェンダー観をバランスよく論じている。『浅草紅団』は新聞連載と同時に実際の三面記事を作品に登場させ、挿絵と共に読者

  • yuki

    高校で「伊豆の踊子」を読んで夏休みにお友達と修善寺に出かけたことがありました。わかりやすい文章だったからなのですがなるほど「耳で聞いただけでは意味がわからない言葉を多く使った文章、眼で文字を見ないとわからない熟語を多く用いた文章には反対である」という作家の考えがわかりました。川端康成は読んだことがないので少しづつ読んでみたいとおもいました。

  • amanon

    川端康成とメディア…一見して、奇異な印象を与えるが、読み進めるうちに、なるほどと思わせる。また、今日名作と謳われる『伊豆の踊り子』がそれ程高い評価を受けていなかったという事実に驚き。ただ、ある程度川端の生涯に沿った記述がなされていながら、川端の死について触れていないこと。それに、反目の関係にあったと思われがちな、太宰を高く評価していたことに言及していながら、太宰の死にどう反応していたかが述べられていないなど、一抹の食い足りなさを覚えるのも事実。それと、川端の人となりについての言及が乏しいのもちと不満。

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