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淀川長治 「映画の伝道師」と日本のモダン

北村洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784815811785
ISBN 10 : 4815811784
Format
Books
Release Date
December/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

俳優でもなく監督でもないが、この人なくして映画は語れない――。『日曜洋画劇場』の解説で人気を博した「サヨナラおじさん」こと淀川長治。映画会社の宣伝員、雑誌編集者、批評家など、いくつもの顔をもつこの人物は何者だったのか。膨大な資料を博捜し、多様な価値観を包摂する変革者=映画人の思想・仕事・人生を描きあげる。

【著者紹介】
北村洋 : 1971年京都市に生まれる。現在、ウィリアム・アンド・メアリー大学准教授。著訳書『敗戦とハリウッド―占領下日本の文化再建』(名古屋大学出版会、2014年)Screening Enlightenment:Hollywood and the Cultural Reconstruction of Defeated Japan(Cornell University Press、2010、アメリカ学会清水博賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ぐうぐう

    淀川長治の生涯を追う本作は、結果として人間・淀川長治を映している。そもそも淀川は、映画に人間を見ようとした。映画が高尚な者達に囲われるのではなく、大衆へと渡されるべきとの意思を持つ淀川は、だからこそ親しみを込めて映画を語る。映画を「抱きしめるように観る」ことを勧めた淀川の、その人間味に多くの人は誘われたのだ。高みから書いた映画批評ではなく、自らを「紹介批評」と称したレビューは、やがて「感覚批評」へと移っていくのだが、それもまた人間・淀川長治を覚えさせる。(つづく)

  • 神戸山

    泣かせる本だった。著者の北村さんは ウイリアム・アンド・メアリー大学の准教授。日頃は映画の研究者・学者先生方に対して厳しく辛い点数をつけがちなのだが、こんな本に出会うと、思わずニンマリして心からの拍手を送りたくなる。浩瀚にして篤実、数年に一度しか出会わない良著だった。惜しみなく時間と手間・お金をかけて渉猟探査した成果だろう。 「茶の間を賑わす人気解説者だけでなく、映画会社の宣伝員、雑誌編集者(編集長)、著述家、批評家、ラジオのパーソナリティ、講演者など何足もの草鞋を履きこなす多能人間」を縦横無尽に語る。

  • chuji

    久喜市立中央図書館の本。2024年12月初版。書き下ろし。淀川長治の評伝。映画評論家の第一人者「皆さんまたお会いしましたね〜さよなら、さよなら、さよなら」懐かしい。昔は淀川さんの他に水野晴郎、小森和子〈小森のおばちゃま〉、荻昌弘、今野雄二、増田貴光等々沢山いましたが、最近の評論家は町山智浩さんくらいしか知らない。巻末の「注」が五十頁以上あり、「索引」「図表一覧」も充実してます。

  • Mitsuhito Shiraha

    淀川長治の批評で忘れられないのがルイ・マル「プリティ・ベビー」への賞賛だ。本書では何故か「褒められている」となっているが熊井啓の「サンダカン八番娼館」と比較して初めて客と寝て悲しみに暮れるヒロインに対し、「プリティ・ベビー」の未成年ブルック・シールズは初めて客を取って「どうだ、やったぞ」と笑っていた、と。芸者置き屋で育った淀川の真髄である。黒澤の晩年の作品への賛は死へと向かう同志への「擁護」だったと思う。淀川長治の不在はこの国の映画文化の先細りに影響を及ぼしている筈。あの解説こそ映画へのいざないなのだ。

  • RedDirtMarijuana

    少年時代の雑誌への投稿(淀川自身の手になる図画まで再録されている!)から、青年期の、あらゆる性別も階級も渡り歩くかのような一人で何役もこなす投稿(ここに突然変異体淀川のクィアネスの淵源がある)まで掘り起こされているのを特に面白く読んだ。『駅馬車』ヒットを仕掛けた淀川の攻勢の熱もよく伝わってくる。『暗黒街の弾痕』の響きのいやらしさに困ってしまうなど淀川のユーモラスな部分も随所から伺えて楽しい。著者は吉川浩満の大学の同級生らしい。

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