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椎名林檎論 乱調の音楽

北村匡平

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163916064
ISBN 10 : 4163916067
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan

Content Description

歌詞/和音/構成/歌唱/意匠―統合的・徹底的に論じ尽くす。

目次 : 全てを読み込む音楽批評/ 現在進行形の衝動―『無罪モラトリアム』の衝撃/ 宙吊りと緊張感―『勝訴ストリップ』と分裂/ 新宿系自作自演屋―平成の偶像と愛好家/ 音楽を魅せる―椎名林檎の映像美学/ ロックファンとの別離―擬古典派の『加爾基 〓液(ザーメン) 栗ノ花』/ 豪雨の最中の旗揚げ―東京事変という『教育』機関/ 楽団を再起動する―『大人』の事変サウンド/ 座長など要らない―『娯楽』の規格外の音像/ 鎧を脱き捨てること―未来志向の『三文ゴシップ』/ フィジカルな限界の先―前衛的でポップな実験作『スポーツ』/ 溶けあう才能―千秋楽の『大発見』/ 目抜き通りを歩く―逆襲する『日出処』/ 本物と協働する―客演で連帯する『三毒史』/ 自由と食べること―『音楽』を再生する東京事変/ 全てを呑み込む椎名林檎

【著者紹介】
北村匡平 : 1982年山口県生まれ。映画研究者/批評家。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、同大学博士課程単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院/科学技術創成研究院未来の人類研究センター准教授。専門は映像文化論、メディア論、表象文化論。『スター女優の文化社会学―戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社、2017年)にて第9回表象文化論学会・奨励賞受賞、『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房、2019年)にて令和2年度手島精一記念研究賞・著述賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 松本直哉

    文芸誌のバックナンバーでたまたま目に留まった連載の文章に惹きつけられて、この歌い手の歌を全く知らないのに知りたい気にさせられ、図書館で借りて読み、AppleMusicで検索して聴きながら読んだ。音楽家への愛と敬意に溢れつつも、楽曲の分析は知的で冷静で、同時代の音楽界への俯瞰的な視点もあり、この種の音楽に無知な私にとって啓発的だった。たいていの流行歌は予測可能(コード進行とか、この辺でサビが来るとか)なのだけれど、この人の音楽は予測不可能で、常に驚きがある。東京事変と組んだ OSKA の前衛性が好み。

  • しゅん

    コード進行・リズム・テクスチャー・歌唱・歌詞と不足なく言及する分析を主軸にしつつ、椎名林檎本人の言説を無視しない。「r」音の巻き舌の頻度を確かめていく分析が特に面白い。読んだ後だと『歌舞伎町の女王』の聞こえ方が変わる。時間軸上に活動を追っている構成は単純ではあるけど、デビュー期と以降は曖昧にしか聞いてなかった立場としては、その変化と連続性を知ることができてありがたい。東京事変のアルバムはある程度同質に聞こえていたので、それぞれの違いの強調に虚を突かれて楽しくなる。

  • スリカータ

    椎名林檎さんはドライブのお供にスマホに数曲入れている程度の浅いファンだが、この本は椎名林檎さんを語り尽くした感があった。譜面やコードの記載はひとつひとつ解読すると時間が幾らあっても足りないので、総論的な部分と特に自分が好きな曲をピックアップして読んだ。椎名林檎さんの色褪せぬカリスマ性と著者の熱量を感じる本。

  • ふなこ

    深読み禁止令が出ているというのに、何故こんなにも深読みせずにはいられないのだろうか。一曲一曲再現しながら存分に楽しめる一冊。

  • うつしみ

    象徴界=掟への嫌悪、諦念と欲動の分裂、死の匂いが生を強烈に感じさせ輪廻する。事変では他力の境地に至り事変を離れてはモノホンと協働し、ファンを置いてけぼりにしてでも常に別様の可能性を模索し続ける。一貫しているのは自由への渇望と矛盾をも呑み込む貪欲な姿勢。最近は貪瞋痴の三毒やそれを喰らう孔雀王になぞらえている。副題は大杉栄「美はただ乱調に在る」より。「奥床しき教科書を全部廃棄処分しろ」ー筆者も大ファンなのだ。理解が深まった。まぁここで御託を並べるのは野暮っちゅうもんで揺さぶられた感覚と情動が全てでありんすが。

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