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雪の夜のあと 慶次郎縁側日記 朝日文庫

北原亞以子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022650504
ISBN 10 : 4022650508
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan

Content Description

元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎の前に、かつて愛娘の三千代を暴行し自害に追い込んだ憎き男が名前を変えて、再び現れる。男の悪行を止めようとする娘、翻弄される女たち。裏長屋を舞台に、男の怨念と赦し、人生の哀歌を描いた傑作長編、初の文庫化!

【著者紹介】
北原亞以子 : 1938年東京生まれ。69年「ママは知らなかったのよ」で新潮新人賞を受賞しデビュー。89年『深川澪通り木戸番小屋』で泉鏡花文学賞、93年『恋忘れ草』で直木賞、97年『江戸風狂伝』で女流文学賞、2005年『夜の明けるまで』で吉川英治文学賞を受賞。13年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ふわりん

    先日読んだアンソロジーに収録されていた「その夜の雪」の後日談の本書も発刊当時読んでるのに、内容が思い出せなくてもう一度読んでみた。もう10年以上前北原さんや平岩弓枝さん、佐藤雅美さんなどの時代小説をさらえるように読んでたなぁと思い出した。当時はまだ今ほど登場人物の会話や行動の中の感情を感じ取れてなくサラッと読んでた気がする。今回の「雪の夜のあと」は458ページの厚さが嬉しく思えるほどじっくり読めて、私もそれだけ歳をとったんだとつくづく感じた。今回の振り返り読書は良い経験になったのでぜひ続けてみたいと思う。

  • 山内正

    聞いた事のある女の声がきた 渡す積りだったんだと包んだ袱紗 から金を出した百両はある  これで居酒屋でも出したらと 父親の喜平次が 喜平次の出会無かったら穏やかな暮らしが待ってたものをと  私達の懐にも入っていますからと おたきが言う 私達?何を聞いたって?父親と所帯持つって?二人は出てった 替りにおりょうがご存知でしょうがおぶんさんに、私の為に別れる事になったお人がいなさるだろうにと言う それじゃおたきさんは?三日間でも夫婦になれたらって言うから なってやるさ 三日したらおりょうさんと所帯持つんだね?

  • 山内正

    口入れ屋に以前この店に金六ってのがいたと尋ねる  三年前木島屋の主になったと 岡っ引き長五郎が言う  俵屋で主が百両を喜平次に渡す 息子新兵衛が金六をと匂わせば 金になると強請る  翁屋の入婿にと話がありとおたき に泣かれ女と縁を切る金に使うと 話すが 道すがら岡っ引きに声を掛けられ 金六の事に関わっちゃ 唯じゃ済ませねぇと釘を刺された 新兵衛が殺しおしまって女が匿ってると念を押された  金蔓だから邪魔はするなと  長五郎親分は金六は死んだ事も  成行きも知っていた おしまは自堕落な格好で団扇を使ってた時

  • 山内正

    聞き覚えの有る声でこちらでしたかと翁屋の主人が来た  喜平次の行方を聞きに 娘は食べるものも口に入らずに あの男は這い上がる気なんざないよ おとしって娘一人幸せに出来ない男が他人を幸せになんか出来っこない 素直な息子を送り木戸で喜平次と 出会す お前ぇも愛想つかしたかい 邪魔はしねぇよ 小遣いせびる気だ立ち去らずに 針に糸を通しながら十六と言ってたが頼り無さ気な娘の顔がよぎる 馬鹿な人だと思いながら路地を出て表通りへ貸本屋の店先にいた  少しの金を握らす積りで お嬢様が待ってるんですと翁屋の女が手を引いた

  • 山内正

    旦那は仏の慶次郎でしょうがと 佐七が言う おりょうに何故あの男が好きになったかと半年もすりゃあ思う筈さと言う  手短かに話そう三千代覚えてるかえおりょうちゃん? 常蔵って男に乱暴され自害したんだ病死じゃなかったんだ 喜平次は急に居なくなったから? 晃之助って男と祝言挙げるって時 だから自害なすったんです お分かりにならないですだから  立直らせてあげたい気持ちで 他に女の人いるの知っています  だから喜平次探して下さい この娘どうしても助けてやりたいが もう三十八娘にこれ以上ぶら下がってちゃあいけない 

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