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ISBN 10 : 4784074554
Content Description
木曽谷に生まれ、8年間に及ぶ日中戦争の初期に中国戦線に赴いた騎兵上等兵・千村春雄さん(1907〜2007)が日々戦地で書き留めた日記「征支陣中日記」。24歳の若き研究家が旧家で眠っていたのを見つけて整理、詳細に翻刻した。退職後は木曽の地で多彩な才能を発揮した千村さんが残した記録は、文章のほかスケッチや詩作(詩、短歌、俳句など)も数多く、その描写は戦闘や行軍など戦争の生々しい描写もさることながら、移動しながら過ごす中国各地での従軍生活や現地の人々との交流も描き、“戦場の文人”とも言える豊かな感性で描いている。また、南京のほか、日本ではあまり知られていない蒙城での虐殺にも目を向けている。公的な戦史とは違った形で、日中戦争の一面を伝える貴重な史料。元信州大教授・久保亨氏(東洋史・中国近現代史)の解説付き。
千村春雄(ちむら・はるお)
明治40年(1907)、長野県西筑摩郡日義村(現木曽郡木曽町)生まれ。木曽大工として修行後、航空機産業に就労。昭和12年の召集で仙台の騎兵第17大隊に属し、日中戦争初期の約1年8ヵ月、中国戦線で書類事務・連絡任務などを行う。14年に帰還し除隊となるが、太平洋戦争でもフィリピンで米軍機の解体調査などに携わった。戦後は工業関連企業に勤務した後、日義に戻って発明や文化活動に取り組んだ。平成15年(2003)96歳で死去。本書の原資料である「征支陣中日記」は、日中戦争従軍から帰還までに春雄が書きつづっている。
【著者紹介】
加藤拓哉 : 2000年東京都出身。栄光学園中学高等学校、東京大学法学部卒。2025年4月東京第二弁護士会にて弁護士登録。国民学校世代の祖父の影響で小学生の頃から軍事史を中心とする歴史の学習と史跡探訪が趣味。大学1年生の夏休みに訪れた長野県木曽郡に心酔し、翌年から学生団体「東京大学木曽谷研究会」を組織。木曽郡の郷土史の学習・研究を深めるほか、地域共同体の中へと入って祭礼の見学・参加を行う。現在は有志団体「きそ歴史芸術文化調査研究会」で活動。研究業績は史料紹介「騎兵第十七大隊・千村春雄の日中戦争史料」が『信濃』第77巻第8号(信濃史学会)に掲載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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