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吉本隆明がぼくたちに遺したもの

加藤典洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000254649
ISBN 10 : 4000254642
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

吉本隆明―戦後思想史に屹立する彼の遺したことばと思想的営為は、ぼくたちになにを語りかけるのか。吉本を敬愛してやまないふたりが、自身の受けた深甚なる影響について率直に語りあう。その思想的核心に迫る対論から、自分に発して世界の問題を考える思想的態度、その原型としての吉本思想が未来にもつ。驚くべき射程の広がりが明らかになる。

目次 : 吉本隆明のことば(思想の「後ろ姿」/ 魂からうろこが落ちる/ ことばの着地点 ほか)/ 吉本隆明と三・一一以後の思想(思想から「国」を離隔すること―第一日目/ 吉本隆明と「有限性の人類」―第二日目)/ ぼくたちに遺されたもの(腑に落ちなければだめだ/ 吉本さんとの出会い/ 誤謬の人 ほか)

【著者紹介】
加藤典洋 : 1948年生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、早稲田大学国際学術院教授、文芸評論家。「言語表現法講義」(岩波書店、1996年)で第10回新潮学芸賞受賞、「敗戦後論」(講談社、1997年/ちくま文庫)で第9回伊藤整文学賞受賞、「小説の未来」(朝日新聞社、2004年)と「テクストから遠く離れて」(講談社、2004年)で第7回桑原武夫学芸賞を受賞

高橋源一郎著 : 1951年生まれ。現在、明治学院大学国際学部教授、作家。1981年、「さようなら、ギャングたち」(講談社)で第4回群像新人長篇小説賞優秀作受賞。「優雅で感傷的な日本野球」(河出書房新社、1988年)で第1回三島由紀夫賞受賞、「日本文学盛衰史」(講談社、2002年)で第13回伊藤整文学賞受賞、「さよならクリストファー・ロビン」(新潮社、2012年)で第48回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ころこ

    二人の吉本評は一致しています。高橋は、吉本が「正しさ」とは何かを突き詰めた思想家だといいます。加藤は、輸入学問で日本人を考えてきた日本において、吉本が世界のことを根源的に考えてきたはじめての思想家だといいます。ここには、社会的なメッセージとして意味あることの成否を問うているのでないことが分かります。二人にとって、結論が正しいことを超越して、同時代のその時点で粘り強く考えた吉本の態度こそが「正しい」と感じています。「吉本は無謬の人かと思っていたが、実は誤謬の人だった」、間違ったから今の吉本がある。

  • 壱萬弐仟縁

    一見正しそうに見えるけれども、思想やことばを殺してしまうことになる。吉本さんは最初期から、その問題に取り組んでこられた(26頁)。吉本さんの本で、大学生の評判がよかったのは『吉本隆明が語る親鸞』だったという(28頁)。吉本さんは、ある意味で原発推進派(41頁)というのはよくない。思想家が死ぬと、思想はもう一度、生きはじめる(52頁)というのは、鶴見俊輔さんの作品を読み直すことで実感してみたい。戦後最初の単著は『高村光太郎』飯塚書店、1957年。完全に誤った高村を取り上げ、その淵源を極めた1冊(66頁)。

  • amanon

    以前から吉本隆明が「反反原発」の立場を表明しているということに納得がいかなかったが、本書を読んで、納得はできなかったが、ある程度理解はできた気がする。そして、本書の著者高橋、加藤両氏を初めとする所謂団塊世代にとって吉本がどれだけ大きな存在であったかということを改めて知らされた次第。世間で是とされている物に対して、あえてしかも断固として否を唱えるという吉本の姿勢は、時として愚直に映るのかも知れないが、しかし、そこにはある種の凛とした清々しさが感じられ、そこがファン心理をくすぐるのに違いない。

  • ひろゆき

    著者二人より一世代下の私の世代では学生時代、吉本隆明はもう読まれなくなっていた。なによりもその後に吉本のオウム真理教への賛美、反核運動への罵倒などのとんでも論理の噴出。その稀少さ故にマスコミから多少は商品価値を持つものと位置づけられていたのが、さらに私の印象を悪くし、結果は迎合のみが目立つ、うさんくささしか感じなかった。第一印象は大事で、初めに眉をひそめたら恋も始まらない。吉本隆明にいわば恋した世代に私の蒙を啓いていただけたらと思ったが、ダメでしたね。

  • 林克也

    吉本隆明の思考の根本が「正しさとは何か」、ということであることが、わかりやすく表現されている。この本を読んで、「吉本隆明」が自分の中でストンと腑に落ちた。吉本さんが日本の原発技術・そして技術者を甘く見ていた(真面目に信頼しちゃっていた)ということが、とても残念です。吉本隆明ほどの知の巨人をいとも簡単に騙すことが出来る日本の闇とはいかに恐ろしい物であり、我々素人がいくら騒いでも何ともできないということに改めて愕然とせざるを得ません。    

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