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一首のものがたり

加古陽治

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784808310110
ISBN 10 : 4808310112
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2016
Japan

Content Description

短歌にはドラマがある。「記者ときどき歌詠み」の著者ならではのペンが織りなす、二十七の短歌ものがたり。

目次 : 青年死して七月かがやけり軍靴の中の汝が運動靴/ 膝下を津波にしやぶられ寒かりき夢と見てゐし家流るるを―佐藤成晃/ すさまじくひと木の桜ふぶくゆゑ身はひえびえとなりて立ちをり―岡野弘彦/ 夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで―仙波龍英/ 日本を振りかへらざれわが前にひたむきにゐる若きらに向き―石川一成/ あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ―小野茂樹/ 警棒に撲たざることをぎりぎりの良心としてわれは追ひゆく―筑波杏明/ 風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける―笹井宏之/ 夕焼けに照らされてゐる妻の顔まぎれなくいま生きてかがやく―桑原正紀/ 音もなく我より去りしものなれど書きて偲びぬ明日と言ふ字を―木村久夫〔ほか〕

【著者紹介】
加古陽治 : 1962年愛知県生まれ。東京外国語大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)入社。司法、教育、ニュースデスクなどを担当後、文化部長(現職)。2002年度新聞協会賞を受賞した連載「テロと家族」取材メンバー(米国取材担当)。福島第一原発事故後、原発取材班の総括デスクを務め、取材班は、第60回菊池寛賞を受賞。担当する「平和の俳句」が昨年、平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞などを受賞。歌詠みでもあり、第54回角川短歌賞次席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • kaizen@名古屋de朝活読書会

    #佐伯裕子 #短歌 祖父の処刑のあした酔いしれて石榴(ざくろ)のごとく父はありたり「未完の手紙」度の強き父の眼鏡のわらわらと曇りぬもっと泣けばよかった 

  • わいほす(noririn_papa)

    81年に内ゲバで命を落とした学生を追悼する短歌(ここに私の友人が追悼する側の一人として関わるという縁もあるのだが)で始まるこの本は、大震災、戦争、病気と、命に直面した重い歌がこれでもかと並ぶ。客寄せパンダ的なサラダ記念日だけがとことん明るく軽いのが救いかもしれない。三十一文字に思いを凝縮し言葉を洗練し昇華された歌。その背景を知ることで新たな発見もあるし、昇華されてるからこそ読む人それぞれの心と相まって新たな歌の意味が生まれることもある。次は一首の恋ものがたりが読みたい。

  • yumicomachi

    わずか三十一音の背後に、重い歴史や出来事、人びとの思いや葛藤が立ちあがる。二十七首の短歌それぞれのものがたりを噛みしめるように読んだ。

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