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藍色時刻の君たちは

前川ほまれ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488028985
ISBN 10 : 4488028985
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2023
Japan

Content Description

2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽は、統合失調症を患う母を抱え、介護と家事に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を見る凛子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町にある親族の家に身を寄せていた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人が前向きな日常を過ごせるようになっていった矢先、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去や、青葉が抱えていた秘密と向き合うことになる…。

【著者紹介】
前川ほまれ : 1986年生まれ、宮城県出身。看護師として働くかたわら、小説を書き始める。2017年『跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング』で、第7回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。『シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎』は第22回大藪春彦賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009

    初読み作家の前川ほまれさんは男性の方で本書に描かれる多くの女性たちの心理を繊細に綴られる筆力に感嘆しました。宮城県の港町で暮らす高校生の小羽。航平、凛子の仲良しの3人は家族の大人が病気であるせいで自分が中心になって家庭を支えるヤングケアラーだった。そんな苦しい毎日だったが東京からやって来た女性・青葉さんが三人を励まし助けてくれる。やがて東日本大震災が起きて津波が押し寄せ、全員の人生が激変するのだった。故郷を出て東京の街で懸命に頑張る三人、青葉さんの凄絶な過去の秘密。

  • いつでも母さん

    お薦めです。前川ほまれさんは男性だったのね。この方の描く『死』は心に響く。宮城県の港町に暮らすヤングケアラー3人の震災前とそれから・・3人に寄り添った女性・青葉の存在。過去と現在が重く切ない。そしてその先に見える僅かな光が届く時、藍色の空と海がどんな言葉よりも祈りを強く強く感じさせる。「いつか、義務も後悔も手放して。あなたはあなたの人生を生きるのよ。」この言葉を必要とする人間が少しでも減りますようにと願う私だった。苦しい読書ではあったが沢山の方に読んで欲しい。是非!

  • hiace9000

    何か始まる夜明けでもない、これで終わる日暮れでもない、どちらともつかぬ藍色に染まる時。ヤングケアラーの高校生3人はまさにそんな日々を過ごす。東京から来た女性、青葉の存在は彼ら彼女らに希望の火を灯す。そして悲劇の3.11が。人生は「津波てんでんこ」、バラバラになった3人は11年の時を経て偶然再会。地元から離れ、今なお苦悩を抱える彼らに、青葉の秘めていた過去は何を物語るのかー。悲嘆にも似た藍色の時をより鮮明に縁取るのは、ヤングケアラー当事者の家族に対する感情を、ありのまま受け止め描く真摯な姿勢。力ある作品だ。

  • のり

    「朝倉青葉」との出会いで男女3人の高校生達は心身共に救いあげられた。当時はヤングケアラーという言葉はなかった。しかし、現実では家族の世話に追われる彼等がいた。共通性もある3人は、当たり前の様に日々を送っていた。そこに「青葉」。しかし、東日本大震災が襲った。離れ離れになった彼等だが東京で再開。今抱える悩みと戦っていた。さらに一歩前進する為に故郷の宮城ヘ…これ程の重荷を背負い、青葉への想いも積もる。現役看護師の至福の一冊。

  • Karl Heintz Schneider

    一行一行、一文字一文字、慈しむように、ゆっくり、じっくり時間をかけて読んだ。図書館の返却期限など気にせず、ひたすらこの本と向き合った、対峙した。この本はその想いに応えてくれた。前川さんによる、渾身の一冊だと思う。ヤングケアラーに焦点を当てた高校生時代の第一部と、東日本大震災後の、大人になった第二部の構成になっている。著者は宮城県出身ということもあり実際に身を持って体験したことの断片が見え隠れする。あとがきでは被災時・被災後の様子が事細かく書かれている。それには体験した者だけが語ることのできる重みがあった。

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