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在る。 Sogi支援医のカルテ

前川ほまれ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041141489
ISBN 10 : 4041141486
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2025
Japan

Content Description

「あなたの性にまつわる在り方は、あなたが決めて良いの。どんな選択をしたって、間違いなんてないしね」
富士見ウエスト病院には、性の在り方に関する不調をケアする「SOGI支援外来」がある。同外来を担当する、第七病棟医長の精神科医・海野彩乃先生は、マイペースな人だけど患者には優しい・意外と面倒見も良いという評判で、各地から患者が集まっていて‥‥。

『藍色時刻の君たちは』で山田風太郎賞を受賞した現役看護師作家がおくる、希望が広がる医療連作短編集。

第一章「二人のエックス」
春、富士見ウエスト病院に勤める休職明けの看護師・倉木透子が配属になった第七病棟は、ストレスケアの治療を中心におこなう「病棟に見えない病棟」。病棟医長の海野彩乃先生とは、休職前にあるやりとりをしていた。復帰した倉木が紹介された患者は、十代のXジェンダーで‥‥。

第二章「溶ける光」
夏、精神保健福祉士の岡田樹里は、アルコール依存症患者の退院支援をしている。担当する尾形佳奈のベッドの近くには、【公正証書 謄本】と書かれた封筒があった。

第三章「反転文字の向こうで」
秋、服飾学生の山口佑樹は、急性一過性精神病性障害で入院している。病室に持ち込んだ【自分史】には、「性別不合の診断を頂けたら、ホルモン療法を開始したいです」という文言があった。

第四章「種の行方」
冬、医師の滝本政成は、新しい病院への転職を予定している。海野先生が新担当となった患者の実姉の情報は、自身の境遇のことを思い起こさせるものだった。

エピローグ「春に」
当直明けの海野は、強迫性障害を患っている担当患者の千田光一から、亡くなった大学の同級生の話を聞く。



【著者紹介】
前川ほまれ : 1986年生まれ。宮城県東松島市出身。看護師として働くかたわら、小説を書き始める。2017年「跡を消す」で第7回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌年『跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング』を刊行しデビュー。19年刊行の『シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎』は第22回大藪春彦賞の候補となる。23年、『藍色時刻の君たちは』で第14回山田風太郎賞受賞。現在も看護師としての勤務を続けながら、執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • itica

    精神科病院のSOGI支援医(性の在り方に対する不調をケアする精神科医)を中心に、共に働く看護師、精神保健福祉士、セクシャルマイノリティや精神的な病気で苦しむ患者たちの解放病棟での日々が描かれている。色々と詰め込み過ぎの感はあるが、身近でも起こりえる問題として捉えることができた。ありのままの自分でいることの何と難しいことか。人の心の何ともろいことか。理解できなくても認め合う、未来がもっと成熟した社会になることを願っている。

  • はる

    性の在り方に関する心の不調をケアする「SOGI支援外来」。ここに勤める精神科医師の海野のもとを訪れる人たちとは…。作者は現役の看護師でもある前川ほまれさん。臨床の描写はリアルで説得力がある。デリケートな問題ながら、あくまで誠実で清廉な物語だった。悩みや苦しみを抱えながら日々を生きている人達に声援を送りたい。

  • Karl Heintz Schneider

    人の性認識は4つのタイプに分けられる。男性・女性・両性・無性。無性に属する人たちは履歴書等の性別欄に男と女の間の「・」に〇をつけるという。その人は男でも女でもない。ただその人としてそこに「在る」。この「在る」と言う言葉が印象的な場面で出てくる。「お父様からすれば奇異に思われるかもしれませんが、それが杏奈さんの普通であり、在り方ですので。」ただその人としてそこに「在る」ことが尊重される。そんな世の中になってほしいという著者の祈りが、このタイトルに込められていると思う。

  • 糸巻

    初めて読む作家さん。現役の看護師さんでもあるそう。サブタイトルのSOGI支援医とは、性的指向や性自認に関する悩みを抱える患者のケアをする医師のこと。SOGI支援医・海野医師の周囲の病院スタッフや患者を主人公にした群像小説。4話収録の連作集。まずSOGIという言葉を初めて知った。家族にすら相談できず、抱え込んでしまった揚げ句に身体に不調をきたしてしまう。理解はされなくても話を聞いて受け入れてくれる、それが専門の医師なら心強いことだ。患者だけでなくスタッフも不調で重い読み心地だったかな。

  • akiᵕ̈

    多様な性的指向や性自認を持つ人々が、安心して医療を受けられるように支援する医療従事者のことを指すSOGI支援医。初めて聞いたけど、今の時代に相応しい。様々な悩みを抱えるセクシャルマイノリティの人たちの精神的苦しみに寄り添っていく連作短編。「性同一性障害」という呼称も「性別不合」と改称され、本当に少しずつではあると思うけど、オープンになって認め合える社会になってきているのかな。どんな特性であろうと人だし、その在り方はそれぞれで、適した生活を営んでいくことは誰にでも在るんだということ。

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