Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• buchipanda3

  読了日：2019/03/20

  ルヴォワールの前日譚連作集。シリーズ未読。なのでまっさらで読んだけれど面白かった。著者の郷土愛溢れる奈良青春ミステリ。穏やかなロジックものとして楽しんでいると"復讐"という物騒な言葉が出現し、それがカギとなる。初篇「ＤＲＤＲ」はレトロゲームをモチーフにした話で珠玉の短編。ふっかつのじゅもんという永遠に失われない記憶を絡めた二人のやり取りが最高だった。５篇目では著者自ら作品世界が崩壊するレベルのジャンル変異にボーゼン。でもこういうの大好物。表紙も良い。これはもうルヴォワールも越天学園の短編も読むしかない。

• geshi

  読了日：2019/03/25

  ルヴォワール・シリーズの前日譚を描く青春ミステリ。復讐にかけた本陣達也という分かりにくいキャラクターを知る物語。不器用でも相手に踏み出す一歩、誰かとかかわった時間をなかったことにしたくない想い、許せない自分を許せるようになる成長、日常ミステリに青春の日々がきらめく。場所を奈良に限定したことも効いていて、閉じ込められた窮屈さや、無くなってしまったものの取り返しがつかない実感がこもっている。特に『ＤＲＤＲ』はドラクエをモチーフにした流と達也の二人だけの関係性のエモさにやられた。

• yosa

  読了日：2019/12/25

  円居挽なのに青春小説ということで、期待はなかったが読み始めたらルヴォワールep.0だったという、既知の読者を想定したトリックにまず心を掴まれる。流石はミステリ作家、いきなり騙しから始まるが、一つエピソードを読み終えたところで「歪だけれど、これはなかなかの青春小説じゃないか」という、騙したが実は騙していなかったという二重トリックが露見。心を打ち砕かれ、無垢な胸の内に「な・ら・らんど」という爆弾を落とされ焦土と化し、大きく開けたところに「ふっかつのじゅもん」が入力され蘇る。読者を選ぶが、これはいい青春小説だ。

• kou

  読了日：2019/06/19

  １話毎に仲間が増えていたが、仲間になる切っ掛けのエピソードを知りたかった。あとがきを読み、他作品の前日譚ということを知ったが、そっちで明かされるのかな？？ドラクエは４からしかプレイしたことないが、１〜３をプレイしてみたくなった。主人公達が登場する作品を是非読んでみたい。それにしても、｢今度は俺が世界の半分を差し上げますよ｣･･･誰かに言ってみたい(笑)

• サケ太

  読了日：2019/04/08

  作者初読み。かなり良い青春もの。ジャンルは何？と聞かれると答え辛い。ミステリなのか伝奇なのか。どちらにせよ、これが面白い。復讐を志す少年と彼を呼び戻してくれる少女の物語。読んだ後、何か救われた気分になる。様々なものを得た少年。失った最後。それでもまた得られる、先があると思わせてくれる。他の視点では万能に見えた少年の弱さと強さ。また、奈良行きてぇな。

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