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ポスト・ディストピア論(仮)

円堂都司昭

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791776085
ISBN 10 : 4791776089
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

現実がますますディストピアに接近していく現代、フィクションは脱出の糸口を示せるか?古今東西のディストピア作品を集中読解!

目次 : Introduction ディストピアの出入口―『ジョジョ・ラビット』「ヒーローズ」/ 1 パンデミック/汚染/ 2 統治/分断/ 3 情報/監視/記憶/ 4 ジェンダー/声/ 5 身体/生命/ 6 脱出/追放/独立/ Postscript すぐ先の希望と「壁」のむこうの希望―「ADELHEID」

【著者紹介】
円堂都司昭 : 1963年生まれ。文芸・音楽評論家。1999年、「シングル・ルームとテーマパーク―綾辻行人『館』論」で第6回創元推理評論賞を受賞。2009年、『「謎」の解像度―ウェブ時代の本格ミステリ』(光文社)で第62回日本推理作家協会賞と第9回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    なぜディストピアがテーマのフィクションが急増しているのか。小説や漫画、映像の傾向調査から、そうした作品を求める社会状況を分析していく。新型コロナのパンデミックに分断を厭わぬトランプ流政治、防犯カメラやポリコレ強化による監視国家化などで閉塞感を覚える人びとが、現実からの逃避を求めていると見る。冷戦の最盛期に世界破滅小説が流行したように、未来を信じられなくなっているのだ。言及されていないがライトノベルでの異世界転生物の隆盛も、脱出願望の具現化だろう。絶望があればこそ希望もあると思えるほど人は強くないのだから。

  • コニコ@共楽

    ディストピア小説を好んで読んでいる。ポスト・ディストピアという題名に惹かれて手に取る。気になる章の拾い読み。Chapter 3 情報/監視/記憶 Information/Surveillance/MemoryとChapter 4 ジェンダー/声 Gender/Voiceが興味深い。難解だった『忘れられた巨人』を”忘却という幸福”という切り口で読み解いているのが俊逸。未読の小川洋子さんの『密やかな結晶』や、『白の闇』も読みたい。ジェンダーの解説では、『大奥』の取り上げ方が良く分析されて面白かった。

  • 猫枕

    大学の卒論用に参照。ディストピアの歴史を要素ごとにひもといてくれるので入門書やはじめの1冊によいと思う。前作(ディストピアフィクション論)より話題が現代に寄っているということもあり、個人的に読みやすかったなーと思っている。

  • ハナさん*

    2023年12月24日第1刷発行。県図。近年のディストピア小説・アニメ等に関する考察が主であるため、読んで(観て)いない作品が多かったが、問題なく読めた。ディストピア/ユートピアものの古典はひと通り押さえてあり、基本的な知識は有していたからか。ディストピア作品を網羅的に解説している前著を読んでいれば、理解が深まったかもしれないが、本書だけでも最低限の理解は可能。副題の「逃げ場なき現実を超える想像力」、人々がディストピアの出口≒希望をどのように考えてきたかという論考は、私の問題意識にはマッチしなかった。

  • ヤミー

    ディストピア小説にどんどん現実が近づいていくような気がずっとしていた。コロナ禍を経て決定に時間がかかる民主主義の弱点が浮き彫りになり、独裁や監視社会の強みが指摘されたり、ポリコレの過熱化で正義の在り方が問われたり、女性観の変化に伴う様々な複合的な要因による少子高齢化や経済の停滞などでフェミニズム対アンチフェミニズムの対立が顕著化していたり、想像を超えるほど高度なAIの運用が本格化していたり。「古今東西のディストピア作品」を通して現実の社会問題を考えると、その解決の糸口が見えてくるのではないだろうか。

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