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トルコから世界を見る ちがう国の人と生きるには? ちくまqブックス

内藤正典

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480251398
ISBN 10 : 4480251391
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan

Content Description

環境や貧困、差別や戦争、世界規模の課題解決は、他国の人と取り組まなくてはならない。そのためには自国とちがう国の文化を知ることが重要だ。アジアとヨーロッパ、二つの大陸にまたがる国トルコは「東洋のものさし」「西洋のものさし」の融合が可能か考え続けてきた。トルコの人びとの考え方を通して、世界を眺めると、異文化理解のてがかりが見えてくる。

目次 : 第1章 イスラムと政教分離のはざま(イスラムの国ではないトルコ/ ケマル・アタテュルクの決断 ほか)/ 第2章 だれも正義の味方になれない民族の問題(トルコ人であること/ 憎しみは憎しみをよんで ほか)/ 第3章 素顔のトルコの人たち(子どもはたからもの/ 赤ん坊にとっての日本とトルコ ほか)/ 第4章 激動する世界のなかで(トルコ人労働者の30年/ 家族とともに暮らすこと ほか)/ 第5章 トルコのものさしが示す世界の姿(ある希望への旅路の物語/ フランスへ密航する ほか)

【著者紹介】
内藤正典 : 1956年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒業。同大学院理学系研究科地理学専門課程中退。博士(社会学)。専門は多文化共生論、現代イスラム地域研究。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授、一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    トルコは東洋と西洋の間に位置するだけでなく、宗教や民族も変遷があった地域でもある。そして現在ロシアとウクライナの隣国である。今後、日本は労働力が減少し確実に移民が増えてくる。その際日本のものさしだけで見ると異文化と共生することは難しい。トルコは1960年代ドイツに多くの移民を送り出し、2世3世の問題に直面した。最近では近隣のシリア、イラクから移民を受け入れる立場になった。オスマン・トルコ帝国では多くの民族が共存し、第一次世界大戦後イギリス、フランスに抵抗し独立した。トルコのものさしに学ぶ点は数多くある。

  • yumiha

    たまたま『地べたから考える』(ブレイディみかこ)の隣にあったので薄い本(127ページ)だからすぐ読めるだろうと、ついでに(著者さん、すみませぬ)借りた。1994年の『トルコのものさし日本のものさし』をもとに、30年後の現状を付け加えたもの。西欧の価値観を歴史的にも地理的にも受け入れざるをえなかったトルコについて、いろいろ知ることができたし、オルハン・パムク作品を読む前に本書を読んでおけばよかったとも思わされた。クルド人問題にも詳しく、自主独立を認めたらエエやんと単純に思っていた私の浅はかさを教えられた。

  • 紙狸

    2022年10月刊行。1994年の原著に加筆。若者向けに書かれ、127頁という小冊子。しかし、中身は重い。トルコという対象に何十年も取り組んできた著者の言葉が重いのだ。トルコという国は、「西欧のものさし」と「東洋(イスラム)のものさし」を融合できるか考え続けてきた国だという。著者は、「融合は可能」だが、価値観の根底には「イスラムのものさし」が強く出てくるように思える、と述べる。トルコはよく「親日的」と表現されるが、著者によれば、日本との関係は「国家どうしというより、人と人との関係に支えられてきた」と言う。

  • 穀潰し

    イスラム教徒が多くいながら政教分離をとるトルコについて書いた本。グローバリゼーションが進む今日、異文化・異教徒との関わり方を考えるのに良い。日本の、「日本に労働者として来る際、単身赴任を求める」という姿勢が国際的に見て人権の尊重に欠けるというのは知らなかった。クルド人に関しては、「政府のクルド人に対する扱いに不満はあるもののゲリラに参加はしない」という、報道からは見えない立場のクルド人について考えずに議論を進めるのは危険とあり、共感した。

  • かりん

    普段なら読まない分野の本。訳あってたまたま読んだ本なのだが面白かった。私も「イスラムと聞くと何となく避けたくなる」偏見だらけの人間だなあと反省しつつ、トルコの歴史的背景や個々の人間としてのトルコ人の話を興味深く読んだ。加筆された部分(ウクライナ侵攻などの現代の社会情勢も出てくる)はさらに勉強になった。私のものさしも西欧寄りであった。

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