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残夢三昧 内田百間集成 16

内田百間

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480038968
ISBN 10 : 4480038965
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『「ほう、ほうと云って、人がかける時には火事は遠い」と祖母が云った。ほうと云う名前の鳥が火事場に飛んで来て、火をくわえて行くから、その鳥を追い払う為に、ほう、ほうと云って走るのだそうである。』(「炎煙抄」より)夢や無気味なもの、怖い雷や空襲、怖いけれど好きな火事…夢とうつつの境を往還する奇妙な味の随筆集。

目次 : 炎煙鈔/ 予行/ 沖の稲妻/ 火の用心/ 近火/ 蒸気喞筒/ 町の野火/ 煙塵/ 巨松の炎/ 雷〔ほか〕

【著者紹介】
内田百〓@6BE1@ : 1889‐1971。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。『冥途』『旅順入城式』『百鬼園随筆』『阿房列車』など著書多数。1967年、芸術院会員推薦を辞退。酒、琴、汽車、猫などを愛した。本名、内田栄造。別号、百鬼園(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • S.Mori

    幻想的なことを書いた内田百閧フ随筆集です。おそらく百閧ヘ大人になっても、子供のような瑞々しい感受性を持ち続けたのではないかと思います。子供にとってはどんなものも新鮮で真新しいものに見えます。自分が知らないものは怖いものでもあります。そんな感性が発揮された文章ばかりです。ごく普通の土手について書きながら、いつの間にか向こう側の世界へ行ってしまう「土手」は絶品。この随筆集の主題とははずれますが、戦争中の爆撃を受けた経験を描いた作品では、迫真の筆致で爆弾の恐ろしさが書かれており、貴重な時代の記録になっています。

  • お萩

    空襲の話があるのがなんだか意外に感じてしまった。こんな時代の人だったかと。そんな話までどこか飄々と達観しているような百關謳カ。

  • :*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)

    短い随筆の数々。百閧ヘ怖がり、暗がり広いところ高いところあらゆるところを怖がっている。火事の話、特に空襲の話が多い。焼夷弾で焼きだされて本当に九死に一生を得ていたのだな、戦争が破壊するものは取り返しがつかない。空襲や火事を命を懸けた一種娯楽のように感じて実際楽しむのは日本人の特性なのか人間の慣れに対する耐性ゆえか。

  • ay75

    ”覚えていれば夢に見ることもあるだろう。夢の中でいいから、その道をもう少し川下の方へ行って、町が切れたら土手になるから、その上をもっと先の方へ行きなさい。”

  • gu

    怖がりのくせになんだかそれを楽しんでいるようでもある。怖いという感覚を抜き出して形を与えたのがあの掌編群なんだろうと思う。

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