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ノラや

内田百間

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122027848
ISBN 10 : 4122027845
Format
Books
Publisher
Release Date
January/1997
Japan

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今でこそ「ペットロス」という言葉や、ペッ...

投稿日:2021/03/05 (金)

今でこそ「ペットロス」という言葉や、ペットを失ったことで苦しむ人が多いことは広く認知されているが、「ノラや」は昭和30年代の話だ。家で飼っていた愛猫ノラが大雨があった日を境に姿が見えなくなってしまう。飼い主は既に65歳を過ぎた老文豪で、ノラのことが心配でご飯も喉を通らない日々。傍から見れば滑稽であり、しかし猫や犬を失ったことがある方なら涙なくして読めない。私は本作は漱石の「吾輩は猫である」、佐野洋子さんの「100万回生きたねこ」などと並ぶ日本を代表する猫本の傑作随筆だと思う。

タカノブ さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 風眠

    昭和32年3月の終わり、百關謳カと暮らしていた猫のノラが失踪する。ある日ふいと現れ、いつの間にか内田家の猫になったノラ。そんなに可愛がっているふうでもなく、ノラと張り合うかのように大人げない百關謳カの行動。そしてある日、庭の繁みから外に出て行ったきり戻らなかったノラ。いなくなった猫が心配で可哀想で、ノラや、ノラや、と、ただ泣き暮らしているだけなのに、どうしてこんなに面白いのだろう。可愛くてしょうがないのに、愛情が素直じゃないところがまたユーモラス。後から来た迷い猫クルツの臨終の場面は、私も滂沱の涙だった。

  • おいしゃん

    ページをめくれば、「ノラやどこ行った」「ノラを思い出してまた泣く」「今日もノラを探す」と、ペットロスおじいさんの悲痛な日記が、延々と繰り返される。「阿房列車」ですっかり「自己中心気難し爺さん」というイメージしかなかったが、こんなに情の厚い人だとは。居なくなったノラを探すべく、NHK、雑誌、警察まで動員するところは流石であるが、やっぱり憎めない。

  • アナーキー靴下

    お気に入りの方の感想に加え、アンソロジー本で読んだ「クルやお前か」が良かったこともあり読む。この本に詰まっているのは猫ではなくて、百關謳カの喪失感。愛猫との別れを経験したことがある人ならもちろん涙なくしては読めない素晴らしい作品だが、純粋に猫の話を読みたい人にとっては百關謳カが邪魔だろう。仕方ない、誰かの猫は、飼い主である人を通してしか見せてはもらえないのだから。「クルやお前か」単品で読んだときは、その言葉に生と喪失しか感じなかったが、木賊の繁みに消えたノラの喪失も内包されているようで…どこまでも悲しい。

  • nico🐬波待ち中

    野良猫を野良猫のまま飼おう。飼う以上は名前があった方がいい、とノラと名付ける。これが本当に猫可愛がり!常にノラの好きなようにさせて、寿司屋の玉子焼だけを与えたり、可愛くて堪らず「ノラやノラやノラや」と撫でたり。同じく迷い混んだノラそっくりのクルにも、好きだからとシュークリームのクリームだけを与えたり。この二匹は家族の一員で何物にも換えられない存在!最後は切なくなったけれど、内田先生一家の深い愛情が伝わってきた。我が家にふらっとやって来るノラ二匹にはこんな我が儘はさせられないけれど、愛情だけは注ぎたい!

  • はつばあば

    この本は猫を飼ったことのある人でなければ、何と女々しい、老人と猫かい!って思われるでしょうね。ホントそうなんです。たった一日・たった2〜3時間帰って来ないだけでどれだけ心配になるか・・。娘も大きくなれば小憎らしい。猫だって気にいらないとひっかくし噛む。それでも猫は可愛い。あぁ〜入院中で我が家の猫には会えないが・・爺様と上手くやってるやろかしら

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