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冥途 / 旅順入城式 岩波文庫

内田百けん

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003112717
ISBN 10 : 4003112717
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1990
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Willie the Wildcat

    花鳥風月な背景、そして対照的に描かれるヒトの持つ欲の表裏。時に滑稽に、時に背筋が寒くなるような幻想的世界。まず『件』。運命を受け入れつつ、自然の摂理からその運命に背く心底の葛藤と、結果辿り着く”静寂”。周囲の喧騒との対照性に、ヒトたる性の滑稽さも垣間見る。次に、『道連』の連れの”残り香”に哀愁。表題『冥途』も同様。最も想像を掻き立てられたのが『水鳥』。周囲の喧騒が、静寂となる変化。抗わない姿勢に垣間見る死生観。因みに、七変化する”風”と”黄色”の使い方を「静」とすると、「動」はもれなく”長”。逆さ?!

  • saga

    『贋作吾輩は猫である』の解説で「冥途」の記述があり、積読だった本書に着手。本書の解説でも書かれているが、漱石『夢十夜』が思い出される。『冥途』は大正関東大震災が起こり、原稿の散逸もあったとのこと。その後10年を経て『旅順入城式』の作品群を上梓し、両作品群とも夢うつつの境界域の短編48編となった。百關謳カ版の百物語と言えそうな、じっとり濡れたような怪異であった。

  • 中玉ケビン砂糖

    ものの本曰く「幻想じたての短編集の最高傑作。受身型人物の典型として怯える『私』の妙味」。「坂」は何度講義で精読させられたことか。レビューで散見される「遅々として読み進めず」「いつの間にか通り過ぎる感じ」という感覚はわかりすぎる程にわかる。

  • ハイカラ

    夢のように曖昧で不安な短編小説集。いや、最高に面白かった。何気ない物事に潜む説明不能の恐怖が現れたり、日常が突然非日常に侵食されたり、そういう悪夢的な話はやっぱり良いもんだ。読んでいると心地よい不安に浸れる。話の中では『花火』『石畳』『白子』『冥途』『山高帽子』『影』『旅順入城式』『先行者』が特に好き。

  • メタボン

    ☆☆☆★ 続けて読むとお腹一杯で、すんなりと話に入っていけない。偶にポツポツと読むと、その妖しい世界・恐ろしさにじんわりと浸れる。だんだんと恐ろしくなってきて、いつの間にか取り返しのつかないところへ進んでいるというパターンの話が好きだ。「花火(いつの間にか過去に裏切った女の許へ)」「件(とんでもない予言をしてしまいそうな予感)」「流木(お金を拾って警察に届けようとしている間に泥棒にされてしまう)」「短夜(狐の正体を明かすつもりが赤ん坊を殺してしまう)」「(神経症的な)山高帽子」「(知人の妻の死)木蓮」

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