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脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

Tatsuru Uchida

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062184274
ISBN 10 : 4062184273
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

本書は、日本のグローバル化が急激に進行し、グローバリスト=ナショナリスト・イデオロギーが国内世論で支配的であった時期(安倍晋三と橋下徹と石原慎太郎が高いポピュラリティを誇っていた時代)に、それに抵抗する理論的・実践的基礎を手探りしていた人間たちの悪戦の記録として資料的に読まれる価値があるのではないかと思います。


「資料的に読まれる価値がある」と思うのは、とりあえずシンポジウムが行われていたリアルタイムでは誰からも相手にされなかったからです。メディアからはほぼ完全に黙殺されました。


しかし、偶然にも、「まえがき」のために指定された締め切りをとうに過ぎてから督促されてこれを書き出したちょうどその時に、日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦容認発言」が国外のメディアから批判の十字砲火を浴びるという事件がありました。この発言をめぐる維新の会内部の意思不統一で、グローバリスト=ナショナリスト・イデオロギーの「尖兵」として我が世の春を謳歌していた維新の会も今は解党的危機を迎えています。安倍自民党も「侵略」をめぐる首相発言、靖国集団参拝、改憲、橋下発言に対する宥和的姿勢などが中国韓国のみならずアメリカ政府の不信を招き、ナショナリスト・イデオロギーの暴走を抑制せざるを得ない状態に追い詰められています。


これら一連の「逆風」が日本におけるグローバル化趨勢が方向転換する歴史的な「転轍点」になるのかどうか、ただの挿話的出来事で終わるのか、それはまだ見通せません。でも、この20年日本を覆ってきた「支配的なイデオロギー」に対するある種の不安と倦厭感が国民の間に、ゆっくりではありますけれど、拡がりつつあるようには感じられます。


この本は2013年7月の参院選の直前に発行される予定です。選挙で、グローバリスト=ナショナリスト的政治勢力に対する有権者の信認がどれほど減るのか、それとも支持率はこれほど国外からの批判があっても高止まりしたままなのか、私は興味をもって見守っています。私たちがこの本の中でそれぞれに主張してきた言葉がすこしでも理解者を獲得してきていたのであれば選挙結果にそれなりに反映するはずです。そうなることを願っています。


(内田樹氏 はじめに 「脱グローバリズム宣言」から抜粋)


内田樹 Tatsuru Uchida
1950年東京都生まれ。思想家、武道家、翻訳家、神戸女学院大学名誉教授。『日本辺境論』『街場の文体論』『現代霊性論』ほか著書、共著多数。Twitter ID: @levinassien


中島岳志 Takeshi Nakajima
1975年大阪府生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授。著書に『秋葉原事件』『朝日平吾の鬱屈』『保守のヒント』ほか。Twitter ID: @nakajima1975


平松邦夫 Kunio Hiramatsu
1948年兵庫県生まれ。毎日放送アナウンサー、大阪市長を経て、現在は公共政策ラボ(PPL:http://www.with-ppl.jp/)代表。共著に『おせっかい教育論』。Twitter ID: @hiramatsu_osaka


イケダハヤト Hayato Ikeda
1986年神奈川県生まれ。ITジャーナリスト、ブロガー、ライター、ソーシャルメディアマーケター。著書に『年収150万円で僕らは自由に生きていく』ほか。Twitter ID: @IHyato


小田嶋隆 Takashi Odajima
1956年東京都生まれ。コラムニスト、テクニカルライター。著書に『地雷を踏む勇気』『その「正義」が危ない。』『小田嶋隆のコラム道』『場末の文体論』ほか。Twitter ID: @tako_ashi


高木新平 Shimpei Takagi
1987年富山県生まれ。コンテクストデザイナー。解放集団「Liverty」やシェアハウス「よるヒルズ」など、さまざまな生活実験モデルを展開している。Twitter ID: @Shimpe1


平川克美 Katsumi Hirakawa
1950年東京都生まれ。株式会社リナックスカフェ代表取締役。立教大学MBA特任教授。著著に『経済成長という病』『俺に似たひと』ほか。Twitter ID: @hirakawamaru




【著者紹介】
内田樹 : 1950年東京都生まれ。思想家、武道家、翻訳家、神戸女学院大学名誉教授

中島岳志 : 1975年大阪府生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授

平松邦夫 : 1948年兵庫県生まれ。毎日放送アナウンサー、大阪市長を経て、現在は公共政策ラボ代表

イケダハヤト : 1986年神奈川県生まれ。ITジャーナリスト、ブロガー、ライター、ソーシャルメディアマーケター

小田嶋隆 : 1956年東京都生まれ。コラムニスト、テクニカルライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヒデミン@もも

    うーん、内田樹さんの偏った考えについていけないと思いながらもやっぱり惹かれるものがある。アンチ橋下の皆さん、やっぱり陰口は読んでいても楽しくない。グローバル化に反対。経済成長に反対。そこは納得いかなかった。最後には教育ってのはその通り❢と思ったが、それが「何でも食える」「どこでも寝られる」「誰とでも友達になれる」ってね。アレルギーの人はどうするの? 誰とでも友達になれるのはグローバルな人間なのでは? 私は小学校から経済の教育をした方がいいと思うのに。

  • 1.3manen

    1億3000万人を「どうやって食わせるか」(内田氏44頁)。このことは、非正規雇用者38%時代に、相当深刻。アベノミクスの恩恵に授かっている者は富裕層であって、庶民は消費増税前に豆富の値段も16年ぶりに上がるなど、既にスタグフレーション家計なのだ。文科省・経産省グローバル人材育成戦略で日本は中韓との競争(同氏60頁)。何のための競争か。イケダ氏は夫婦100万円稼げれば論(98頁)は、甘いと思う。20代でどれだけ清貧に耐えているのかしれないが、TPPもあって難。パットナム『孤独なボウリング』社会関係資本も。

  • naobana2

    面白い。政治的な部分は読み飛ばしてますが。 内田樹さんと小田嶋隆さんと見て即買いです。 年収300万円時代をいかに生きるか。

  • takeapple

    2013年に出た本。ちょうど橋下徹が大阪市長になったあと、対立候補だった平松さんが、内田樹さんたちとシンポジウムをやって作ったというのかな。それから幾度かの選挙、コロナ、自民党が小選挙区でうまいことやっているけれど、内閣は安倍から菅そして岸田と変わった。安倍晋三は殺されて、今は統一協会と円安とウクライナが世間的な話題だ。私たちの生活は悪くなるばかりだ。ここでのテロの予感が現実のものになってグローバル化による格差が広がり政府はなす術もなく、投票率は下がるばかりだ。さてなんとかしないとな。

  • くり坊

    2012年から2013年はじめまでの間に行われたシンポジウムの講演録。 とても共感できました。 リアルタイムに生でシンポジウムがききたかったな、と思いました。 「わかりやすくする」ことと、物事を「単純化してしまう」ことは、別物って、改めて肝に銘じつつ。

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