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論破という病 「分断の時代」の日本人の使命 中公新書ラクレ

倉本圭造

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121508348
ISBN 10 : 4121508343
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2025
Japan

Content Description

自分と異なる意見を持つ相手を「敵」と認定し、罵りあうだけでは何も解決しない。今必要とされているのは、「メタ正義感覚」だ――。日本に放置されているコミュニケーション不全に対し、対立する色々な立場の間を繋いで成果を出してきた経営コンサルタント≠フ視点と、さまざまな個人との文通を通じ、社会を複眼的に見てビジョンを作ってきた思想家≠フ視点を共に駆使し、新しい活路を見いだす。
 堀江貴文氏失脚に象徴的な日本の「改革」失敗の本質的な理由や、日本アニメの海外人気が示唆するもの‥‥などをひもとくことで、「グローバル」を目指して分断が深まった欧米とは異なる、日本ならではの勝ち筋を見つけ、この20年の停滞を乗り越える方策を提示する。
 また、明治神宮外苑再開発問題、再エネvs原発の電力問題、川口市のクルド人問題、歴史認識問題――現代の具体的な課題を元に、解決に向かう考え方を示す。
 あらゆる「絶対」が無効化し、混迷が深まる多極化時代の道しるべとなる1冊。

【著者紹介】
倉本圭造 : 1978年、神戸市生まれ。京都大学経済学部卒業後、マッキンゼー入社。「グローバリズム的思考法」は「日本社会の現実」との大きな矛盾に直面し、両者を相乗効果的関係に持ち込む新しい視座の必要性を痛感。その探求のため肉体労働現場やホストクラブにまで潜入して働く「社会の上から下まで全部見る」フィールドワークを行ったのち、船井総研を経て独立。中小企業のコンサルティングで「10年で年150万円平均給与を上げる」などの成果を出す一方、老若男女の多様な人々との文通を通じた「人生について一緒に考える」仕事も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • あらたん

    図書館本。自分の考えにかなり近かった。希望を持たせる終わり方も好き。

  • 紙狸

    2025年2月刊行。著者倉本圭造氏は、経営コンサルタント兼思想家。インターネットなどで「正義」対異なる「正義」の激しい言葉が交わされる。著者は「メタ正義的な解決」を提唱する。これは異なる主張を足して二で割るのではない。現場で苦労している人の話を踏まえて議論するところから解決策をさぐる。実例として「川口市のクルド人問題」などがとりあげられている。個人的には後半で「フランス革命」と「明治維新」を論じているくだりが面白かった。欧米由来の抽象度の高い議論をローカル社会が補正する機能が必要だという。

  • kuukazoo

    「善である自分たちvs悪であるあいつら」のように複雑な現象を過剰に単純化した二項対立でしか理解せずひたすら相手への攻撃に終始する、という「論破という病」を超えるためのメタ正義感覚について説く。それにはひたすら具体的な課題について具体的な方策を出していくことが大切。勿論簡単なことではなく宮本常一の「村の寄り合い」レベルの根気が要りそうだ。社会問題を認知させる段階と解決を図る段階では全く違う態度が必要、とはなるほどであった。

  • まゆまゆ

    自分のとる立場によって善と悪に分断されやすくなった日本社会において、立場を超えて協力し合う視点をいかに共有することができるかを語る内容。対立する論説を単純に二極化して、水と油のように混ざり合わない状況で互いに論破し合うのではなく、マヨネーズやバターのように混ぜて形作る議論を行っていくことでwinwinの答えが見えてくる。

  • kitten

    BWにて読了。倉本さんの新作だけど、この方のことはずっとXで追いかけているから目新しい話はさほどなく。うん、「思想家」だよね。論破して相手を言い負かせばいいってもんじゃない、ってのはわかるし、メタ正義の話もわかるんだけど、果たしてそれを実践して世の中をちゃんと回していけるのかは、これからの課題だと思う。今回は「水」と「油」に例えていたけど、うまく混じるのは難しい。陰キャ、がんばれ。

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