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爆発物処理班の遭遇したスピン

佐藤究

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065279526
ISBN 10 : 4065279526
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan

Content Description

鹿児島市の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街のホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。さらにほぼ同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!?「爆発物処理班の遭遇したスピン」。他に、日本推理作家協会賞短編部門の候補となった「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。

【著者紹介】
佐藤究 : 1977年、福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。’16年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。’18年、『Ank:a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、および第39回吉川英治文学新人賞を受賞。’21年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木三十五賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    佐藤 究、4作目です。本書は、令和の夢野久作的短編集、オススメは、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」&「スマイルヘッズ」&「九三式」です。著者の直木賞&山本周五郎賞W受賞は伊達ではありません。今年のBEST20候補です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000365621

  • パトラッシュ

    執着や好奇心が嵩じて狂気の域にまで達してしまうのは人の業なのか。歪んだ心の暴走をテーマに描く8編は、その断面を生々しく切り取って提示するだけに残酷さが際立つ。特にシリアルキラーアートを集めている作家の折原一氏が都内の画廊で開いた展示会を見たことがあるため、この手の作品の収集家を描いた「スマイルヘッズ」に興味を抱いた。言及されているジョン・ゲイシーの絵は下手なポンチ絵並みだが、何十人も殺した男の同じ手が描いたものと思うと得体の知れない恐怖を覚える。いつかこの諸作品が長編化され、悪夢の如き世界を展開するのか。

  • 旅するランナー

    読者の学識や理解力を問われるような、不気味なスリラー8話。量子力学応用爆弾、キメラ飼育、シリアルキラーのアート、元刑事(フォーマー·ディテクティヴ)取材、狂犬病講義など、扱われる題材に唸らされる。特に福岡市を舞台にした「猿人マグラ」は、夢野久作「ドグラ·マグラ」が引用されており、この畢竟の傑作既読者にとっては興味の尽きない話になっている。

  • 青乃108号

    8編の短編からなる短編集。SF風味のものやらホラー風味のものやら色々ある。@書名と同タイトル。物理学用語満載で俺には理解叶わず。Aまあ面白いB一応読んだが何度読んでも寝てしまうC面白くないD面白い。幕切れがとても良いEまあ面白いが前の話と似た話F良い。文体が好みGとても良い。この暗い感じ、救いの無さ、絶望感。好み。タイトル【くぎ】=五寸くぎ。その使い道は。Gが8編の中で1番良いので書名にするなら【くぎ】だろう。それじゃあ売れないか。

  • ゆきねこ

    佐藤究作品には毎回度肝を抜かれている。今回も然り。どんな世界を見たらこんな作品ができるのか。この宇宙とは別の宇宙にすんでいるに違いない。読書体験が、崖っぷちの縁を恐る恐る進む感じ。痛いほどの緊迫感と言い知れぬ不安。この先絶望的な展開になることは知っているのだが、予想した絶望を超えた圧倒的な破壊力。各編の怪物たちが悲しくて恐ろしい。知りたくもなかった怪物たちが勝手に自滅するのに、救いようのない絶望を覚える。この才能は、世界中の賞では評価できない。唯一無二な存在として、世界に君臨せよ、佐藤究。

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