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細胞内共生説の謎 隠された歴史とポストゲノム時代における新展開

佐藤直樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130602365
ISBN 10 : 4130602365
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜ細胞内共生説は定説となり、マーギュリスは創始者とされたのか。生物学の基礎知識とされる、この概念に潜む根源的な謎。文献を丁寧にたどって歴史を読みとき、最先端のゲノム解析技術を駆使しながら、定説の再考を迫る一冊。科学史とゲノムサイエンスを俯瞰する新たな挑戦。

目次 : 細胞内共生説―その意味と謎/ 1 細胞内共生説の歴史的展開とそれをめぐる人々(細胞内共生説のあゆみ/ 細胞内共生説を初めて提唱したメレシコフスキー/ 二十世紀前半の細胞内共生についての諸説/ マーギュリスの細胞内共生説の再考/ 一九六〇〜一九七〇年代における細胞内共生説の動向)/ 2 色素体の細胞内共生説の科学的再検討(オルガネラの細胞内共生に関する現代の考え方/ 葉緑体とシアノバクテリアの連続性と不連続性/ 「細胞内共生」という事象の再検討)/ 細胞内共生説とは何か

【著者紹介】
佐藤直樹 : 1953年岐阜市に生まれる。1981年東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得後退学。東京大学理学部助手、東京学芸大学教育学部助教授、埼玉大学理学部教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ポレ

    著者の研究の集大成というだけあり、紙面から伝わる熱量の大きさに圧倒される。高校生物の教科書にも掲載され、定説とみなされている細胞内共生説。その提唱者とされるのがリン・マーギュリスだ。細胞内共生説の歴史的展開をひもとき、最新のゲノム解析によりマーギュリスの業績を徹底検証する。そして、その矛先はマーギュリス自身に向かうのである。心理学者のピアジェが提案したスキーマという考え方によれば、どんなデータもスキーマに合うように解釈され、合わないデータは無視される。本書は細胞内共生説というスキーマに挑む試みなのだ。

  • mft

    論説記事のような硬い筆致。内容的には前半が細胞内共生説の歴史: メレシコフスキーが20世紀初めぐらいに提唱。現在一般的に名の上がるマーギュリスは本当は大して実証に貢献していない等々。内容の後半は最近の系統分析の結果: 葉緑体の膜を作る酵素などを解析すると、実はシアノバクテリアが1回だけ共生した結果葉緑体ができたという説明とは合わない。全体として、巷で広まっている説明は現実とは違うという主張を「謎」というタイトルに込めているようだ

  • matsu

    真核生物のミトコンドリアや葉緑体などのオルガネラは細菌などが共生した結果生じたという、細胞内共生説は生物の教科書にも載っているほど有名な話だが、本著では、そのような突拍子もない説がどのように成立したのか、そして現在一般に流布している説にはどのような間違いがあるのかを示している。 要旨を簡単にまとめると、1)提唱者だと考えられているマーギュリスはオリジナルではなくしかも本来は別の説を提唱していた。2)教科書に描かれているような共生の仕方は正しくなく、様々な段階を経てオルガネラとして成立している。

  • naoto

    前半は、マーギュリスについて…その業績に疑いあり?みたいな感じで、あまり気分が乗らず。後半は細胞内共生説…葉緑体やミトコンドリアなど…がどうなのか、という感じ。葉緑体やミトコンドリアは動物・植物細胞が取り込んだというのは、まだ疑問ののこる説らしい。他にもいろいろ読んで、自分なりに考えてみたい。

  • takao

    実は意外に脆弱な根拠。

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