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犯罪の世間学 なぜ日本では略奪も暴動も起きないのか 青弓社ライブラリー

佐藤直樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787233943
ISBN 10 : 4787233947
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

略奪や暴動をおこさず、おきたとしてもそれに厳しい目を向ける日本人―その感性を作り出す独特の秩序である「世間」。歴史学者・阿部謹也が提唱した世間論の骨子を、「空気を読む」「既読スルー」などを例に紹介し、「個人の消去」「贈与・互酬の関係」「高い同調圧力」といった「世間」の特徴を解説する。それをふまえて、排除と包摂という相反する性質をもつ「世間」で排他性がますます強まっていることを、1990年代末以降に台頭する犯罪の厳罰化を導きの糸として明らかにする。そして、排除志向を強めた「世間」が、人々の息苦しさを加速させて犯罪を生み出す仕組みを2000年代以降の犯罪・事件を例に読み解いていく。ニッポン礼賛があふれファシズムにも似た「空気」が覆う日本の現状に、「世間」という視点から鋭く迫る時代診断の書。

目次 : 第1章 犯罪を抑止する「世間」(世間論素描/ 日本型権力としての「世間」/ 日本の犯罪率が低いのはなぜか)/ 第2章 犯罪/処罰を取り巻く「世間」(「処罰福祉主義」をめぐって/ 一九九〇年代末の排除=厳罰化はなぜおきたのか/ 「世間」の「復活」と「新しいファシズム」)/ 第3章 犯罪を生み出す「世間」(二〇〇八年:秋葉原無差別殺傷事件/ 二〇一二‐一三年:『黒子のバスケ』脅迫事件/ 二〇一四年:佐世保高一女子同級生殺害事件)

【著者紹介】
佐藤直樹 : 1951年、宮城県生まれ。九州工業大学名誉教授・現代評論家。1999年の日本世間学会創立時に、初代代表幹事として参画。現在、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどで、世間についての評論活動を続けている。専攻は刑事法学、現代評論、世間学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • teddy11015544

    日本社会の現在の病理を「世間」の復活というキーワードから説明している。なるほど。日本は中世を引きずっている。学校も世間が支配している。ファシズムは個人から生まれるのではなく、世間の空気から生まれる。などなど、社会や職場、さらには家庭の事象を読み解くのに役に立つ矩である。

  • 田中峰和

    なぜ日本の犯罪率が先進工業国のなかで最低水準にあるのか。世間をキーワードにその理由を読み解く本書。世間とは国民が集団になったときに発生する力学のことで、個人の消去や高い同調圧力、贈与・互酬の関係、排除と包摂などの特徴をもつと唱える著者。犯罪加害者の親族が謝罪を強要されるのは、日本固有の世間が前提になっているのだろう。90年代末以降、犯罪の厳罰化が急速に進む日本。これらの背景には、新自由主義の浸透と拡大、そして後退していた世間が復活してきたからとも指摘する。不倫疑惑で葬られたベッキーも世間を敵に回したから?

  • 新橋九段

    書き忘れ。エビデンスの存在が気になる。

  • Degawa

    日本人は、外国は、と一般化しすぎ。「外国は、〇〇」、と言うが、外国と言ってもいろいろあるし、「〇〇は日本にだけ見られる」、という主張も、私は複数の海外に住んだ経験があるが、首を傾げたくなることが多々あった。ありていに言えば与太話の域を出ない本。

  • 抹茶ケーキ

    犯罪と世間を絡めて論じる。世界でも極めて低い日本の犯罪率に世間が寄与しているというよくある話を発展させて、厳罰化やゼロ年代の犯罪を論じている。特に2章が面白かった。世間論を読むたびに思うけど、なんで先進西洋諸国ばっかりと比較するんだろう。どこか他の国、たとえば韓国とか地中海文化の国とかと比較したりしたほうが面白いんじゃないだろうか。別に先進西洋諸国がスタンダードってわけでもないんだし。

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