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冬に子供が生まれる

佐藤正午

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093867078
ISBN 10 : 4093867070
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2024
Japan

Content Description

著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作

その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。
現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。
彼が目にしたのはこんな一文だった。

今年の冬、彼女はおまえの子供を産む

これは未来の予言。
起こりうるはずのない未来の予言。
だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。
これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。
そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。
丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。

三十年前にかわした密かな約束、
二十年前に山道で起きた事故、
不可解な最期を遂げた旧友‥‥

平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。
『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!



【著者紹介】
佐藤正午 : 1955年長崎県生まれ。83年『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞受賞。2015年『鳩の撃退法』で第6回山田風太郎賞受賞。17年『月の満ち欠け』で第157回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hiace9000

    SFかホラーか否ファンタジーか、ジャンル分けは不粋にして不要か…。生まれ変わりをテーマとした『月の…』佐藤さんが描く、虚実混沌の不可思議なる世界観。伏線の役を担う「実」部分の丹念な描きがあればこそ、「虚」にあっても記憶の齟齬や不確実性という「実」を一層くっきりと浮かび上げ、読み手の保守性バイアスを駆使する読み筋を最後まで崩し続ける。謎解きストーリーに固執し過ぎることなく、それぞれの登場人物と同化して読むことができれば、人の「真」に触れることができよう。ラストの鮮やかで晴れやかな「虚」の余韻に深く浸りたい。

  • のぶ

    この本のあらすじを書けと言われたら難しいが、小説としては面白かった。肝心なことを語らない登場人物たち。食い違いまくる証言。何が重要で、誰が主要なのかわからない。自分の読み手としての能力に何か問題があるのかと不安になる。意味のわからない登場人物の動きにイライラする。でもいつの間にか作品に引き込まれ、最後まで一気に読んでしまった。丸田君という男性のスマホに「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」という謎のメッセージが届く場面から物語は始まる。謎めいた冒頭からは思わぬ展開が待っている。内容は読んでみてください。

  • まこみや

    佐藤正午についての覚書ー『鳩撃』『月満ち』『冬に子供』の物語構成上の共通点/ 1)ミステリ仕立て 2)プロットー終わりから始まる 3)人格の入れ替わり 4)記憶の曖昧さー記憶の捏造あるいは修正 5)語り手が物語の中に登場する /前二作はずいぶん前に読んだので、記憶が朧で正確でないかも知れない。

  • hirokun

    星3 佐藤正午さんは、たぶん初読みの作家さん。直木賞作家、表題に誘われて読み始めたが、正直摩訶不思議な作品というのが私の現在の感想。途中で何度も挫折しかけたが最後まで読み終えた。これは、SF小説として理解すればよいのか推理小説として理解すればよいのか?私は、人間の持つ記憶などというものは曖昧なものであり、何者からも独立した明確な個というものもないとの主張なのかと捉えた。理解力のせいなのだろうが、うまく表現できない感覚が残る。

  • いたろう

    直木賞受賞作「月の満ち欠け」から随分経ったと思ったら、7年越しの直木賞受賞後第1作。小中高と一緒だった、丸田優(マルユウ)と丸田誠一郎(マルセイ)の2人。2人に関係する人々の、2人に対する記憶が錯綜するばかりでなく、それを読んでいる読者も、混乱するように描かれる。子供の頃にUFOを見た(?)という2人が、その10年後、ある事故に巻き込まれ、そして更に20年後、何か通常では起こらないことが起きていることを思わせて、何が一体どうなっているのか。読者を煙に巻きながら、物語に引き込むのは、佐藤さんならではの力量。

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