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カップルズ 小学館文庫

佐藤正午

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094087888
ISBN 10 : 4094087885
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2013
Japan

Content Description

その街では、男と女の噂話がいくつもささやかれている。冷えきった仲の夫婦、夜逃げをした男、ある事件の被害者と未亡人、百貨店勤務の男と女優、手袋をつけた娼婦、アーケード街の絵かき、男たちが群がったホステス…噂話の登場人物はどれも多彩だ。そしてその街にはひとりの「小説家」が暮らしていた―。噂はいつも事実よりひと回り大きい。ただ「小説家」の興味をこれほどひくものもない。語り手の「私」は噂の真相を探りつつ、事実よりはるかに面白い物語に仕立てあげてゆく。文壇屈指の小説巧者が、街の「小説家」の視点を借りて描いた作品集。全七篇を所収。

【著者紹介】
佐藤正午 : 1955年、長崎県生まれ。83年、『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Tsuyoshi

    おそらく初読みの作家さん。作者の分身と思われる小説家である「わたし」が住む街で耳にした様々な「噂」をテーマに人間関係や噂における経緯や関わる人々の様々な思いなどを丁寧に描いていく短編集。淡々と描かれていて盛り上がる感じはないのだが、日常にあり得る噂の数々に自分も話の中に身を置いたような気分になった。

  • 桜もち 太郎

    最新作の「熟柿」からきた作品は7編の短篇集。どの物語も語り手は私である小説家。作中様々な噂が蔓延している。「悪い噂はインクの染みのように広がる。ただし噂の人物に一番近い者には一番遅く伝わる」のが噂の本質らしい。何かとても怖い気分になる。心に残ったのは百貨店勤務の男と女優の物語である「輝く夜」だ。二人の高校時代、真夜中に入った学校のプール。きらきらとした宇宙船のように舞い降りてきた米軍のヘリコプター。二人にとって『人生が最高に輝いた時』だ。自分にとって最も輝く瞬間は何だったかを考えさせられた。想像できない。

  • 八百

    祝山田風太郎賞受賞!で性懲りもなく正午さんを読んでみた。新刊のようでいて実はリニューアル本、まだまだ自分もと村上某らと張り合ってた頃の短編集。それ故かスカし具合は半端ないのだが不思議と嫌味になってないのはファンの贔屓目だろうか… 先ずは初手から街、小説家、ドーナツショップ…と後の作品の津田を嫌でも彷彿とさせる設定にニヤリとさせられる。そして今回の連作のキーは身の上話ならぬ噂話、どれもこれもしっくりとは収まらないのはいつものことながら本を読む楽しみはこういうことだとさりげなく主張するまさに正午さんらしい一冊

  • momo

    人間について、人生の選択について深く考えさせられました。大切な友達にプレゼントしたくなるような素晴らしい短編集です。善人、悪人という言葉がありますがもともと人間は分類できるものではなくて、相手とのかかわりによってどんな存在であるのかが決まってくるのだと思いました。「いまいくら持ってる?」の三木はずるくていかがわし人物であるのに片岡秀樹にとっては気にかかる人物なのです。人間関係の不思議さ、相手に対する好き嫌いだけではない、放っておけない気持ちに大いに共感しました。おそらく多くの人が共感すると思います。

  • majimakira

    人と人が関わり、それぞれの世界に大小さまざまな影響を与え合う。やがて影響がまた誰かに関わり繋がる。そんな人間関係でできあがる現実の、その妙が浮立ついくつかの男女関係を、ひとりの小説家が7篇すべてを貫いて、街で聞こえる噂話や自分の記憶、そして自分じしんの話を混ぜながら紡ぐ面白さ。確かに噂話はいつも事実よりひと回り大きい。だが、小説家や小説もまた、いい意味でそんなチカラを持っていると感じさせる。「最初は誰でも見知らぬ者どうしとして出会うのよ、出会ってそれっきりになるかならないかはちょっとした気まぐれしだいよ」

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