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更生記 春陽文庫

佐藤春夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784394980155
ISBN 10 : 4394980151
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

スリルと意外性に満ちた文豪の傑作推理、70年ぶりの文庫化! 医学生の大場は、ある晩、自殺を図ろうとしている女性を保護する。大場から相談を受けた猪俣助教授は、彼女が心因性ヒステリーであることを見抜き、精神分析を用いて病因を解き明かしていく――。

【著者紹介】
佐藤春夫 : 1892(明治25)〜1964(昭和39)年。和歌山県生まれ。慶應義塾大学部文学科中退。生田長江に師事し、与謝野鉄幹・晶子夫妻の薫陶を受けた。1909(明治42)年から抒情詩を発表。1917(大正6)年の「西班牙犬の家」、19年の「田園の憂鬱」で注目を集め、詩、小説、随筆、評論、戯曲、童話と幅広い執筆活動を続けた。探偵小説を好んで手がけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    精神科医の猪俣助教授の助手が助けた謎の美女。身元を明かさない上、ヒステリーの症候を示し、死を求める彼女、辰子の身元を探る内に華族であり、一時期に持て囃されていた作家とのスキャンダルがあった事が明らかになる。だが、兄である青野男爵も頑として口を割らない。一体、彼女の過去に何があり、今の状態となったのか。本作は口さがのない世間と文壇によって発狂に追い詰められた作家、島田清次郎の事件を基に編まれたミステリーである。しかし、辰子の症状や青野男爵が口を噤む理由を巡る心理ミステリーとしても見事でほれぼれとしてしまう。

  • geshi

    自殺を図った女性のヒステリーの心因を探る建付けは探偵小説に近いが、紆余曲折の末に心理小説に落ち着いたといった感じ。探偵役である猪俣助教授をはじめとして大場やその姉といった登場人物の人となりや苦悩が人間的に描かれ、全てが合理的に解かれることへの疑問が提示され、探偵小説でありつつも作者の探偵小説への批判精神が見える。進みが遅くダラけた印象が持たれることと結局本人から真相がもたらされる形なのはあまり好みではないが、過去を乗り越えるカタルシスと未来を無効とするポジティブなラストは読んでいて快い。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    命を救ってもらったものの身元を明かさない若い女性(のちに華族令嬢とわかる)と、新進作家とのエピソードは、島田清次郎と海軍軍人の娘との関係から発生した事件を元にしているが、本作ではさらにひとひねり加えている。 この若い女性と、本作で探偵役を務める助教授の丁々発止の心理合戦がひりひりする。令嬢を挑発したときは、彼女が死んでしまうのではないかと、こちらまでひやひやした。 最後にツェッペリンを登場させて急に終わらせるのは、斬新だったな。

  • ベック

    ちょっとモヤる。時代の風雪に翻弄されるところもあるが、細かいところに引っかかることしばし、のそりのそりと歩みの遅さと身勝手な登場人物たちになんとも辟易しながら、最後には胸のすく結末があるのだろうと我慢して辿りついたところがツェッペリンだとは!

  • Gen Kato

    佐藤春夫が新刊で!と嬉しくなって即買い即読了。佐藤春夫による島田清次郎レポートみたいな部分がいちばんの読みどころなのだけれど、ミステリとしてひじょうにおもしろいです。

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