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女誡扇綺譚・田園の憂鬱 P+d Books

佐藤春夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093523790
ISBN 10 : 4093523797
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

聖地巡礼スポット・台南を舞台にした表題作ほか、珠玉の短編5編。明治、大正、昭和の3つの時代にわたって、詩歌や小説、文芸評論など幅広い分野で足跡を残した佐藤春夫の、珠玉の小説アンソロジー。表題の『女誡扇綺譚』は、日本時代の台南を舞台に、鄙びた町の姿や、没落豪族の娘の霊との出会いを描いた作品で、作者自ら「五指に入るであろう」と評した幻想的な傑作。改稿を重ねた渾身の一作『田園の憂鬱』は、田舎に移り住んだものの周囲と溶け込めず、次第に病んでいく文学志望の青年を描く。他に処女作品『西班牙犬の家』のほか、『のんしゃらん記録』『美しき町』を収録。『大正幻影』で佐藤春夫を掘り下げた評論家の川本三郎氏が解説。

【著者紹介】
佐藤春夫 : 1892年(明治25年)4月9日‐1964年(昭和39年)5月6日、享年72。和歌山県出身。詩人として1921年に『殉情詩集』を発表。1960年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syota

    佐藤春夫は初めて。5編を収録。代表作『田園の憂鬱』が、なんといっても驚くほどユニークな作品だ。出だしは国木田独歩ばりに農村風景の写生が続く。観察の繊細さはホトトギスの俳人たちを連想させるが、それが17音でなく文章で延々となされるのがすごい(好悪は分かれるだろうが)。やがて農村の閉鎖的人間関係が言及され、私小説風に。後半に入ると、作者自身の実体験と思われる神経症の症状(幻聴、幻視など)が詳細に再現され、現実との境界が曖昧になるなど一挙に読み手を引き込む。作者の心の闇に吸い込まれるような迫力を感じた。→

  • ユカ

    この頃の小説って、人間の醜い心の動きやら行動やらを、そのまま飾らずに描いてあって、たまに本当にいたたまれない。しかしどの話も楽しんだ。オチがないのが良い。

  • でろり〜ん

    田園の憂鬱以外は初読。改めて知らされた感じで驚くのは、書かれた年齢のとても若いということでした。さんまの歌もそうですが、著者の創作意欲は随分若いうちにオフピークになっていたのかしらん、とかも考えてしまいました。カタカナ英語をけっこうな頻度で使っていますが、当時の流行りなんでしょうかね。文体としてはダサイ気もします。大正時代なんて想像するだけなのんですが、空気感として、この著者は昔という感じを与えませんね。面白い、という内容ではなかったのですが、楽しめました。クリエイティブな一族。愛子さんはご健在ですよね。

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