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密かにヒメイカ 最小イカが教える恋と墨の秘密 新・動物記

佐藤成祥

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784814005574
ISBN 10 : 4814005571
Format
Books
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

浅場に繁茂するアマモの森に身を隠し、ひっそりと生きる世界で一番小さなイカ、ヒメイカ。全長2センチほどというその小ささゆえに認知されることが少なく、ほとんど研究されてこなかった謎多きイカの、密かな恋のセオリーと墨を使った騙しの秘術を解き明かす。憧れと挫折、絶望と救い、情熱とジレンマが交錯する赤裸々な研究記。

目次 : 1章 世界最小のイカ、ヒメイカ(ヒメイカとの出会い/ ヒメイカを捕まえろ!/ ヒメイカの分布と生活史を探る)/ 2章 密かに燃えるヒメイカの恋(念願の行動観察/ ついばみ行動の謎を追え!/ 雄選びは交接のあとで)/ 3章 密かな恋を支える精子のやりとり(異なる二本の交接腕の謎/ 密かな恋の証拠を掴め!/ 自然環境でのヒメイカの繁殖生態/ 恋路を邪魔する捕食者の存在)/ 4章 イカ墨の不思議(墨を使って餌を捕る?/ 墨による防御方法)/ 5章 世界に広がるヒメイカの仲間(見つかりだした新種ヒメイカ/ 繋がりだしたヒメイカの輪)

【著者紹介】
佐藤成祥 : 北海道札幌市出身。1980年生まれ。2010年に北海道大学大学院環境科学院博士課程修了(博士(環境科学))。その後は、日本学術振興会特別研究員(PD)、島根大学特任准教授などを経て、2019年4月より東海大学海洋学部水産学科講師。ヒメイカをきっかけにはじまった頭足類の行動生態研究だが、その興味の矛先は沿岸性から深海性の様々な場所に生息する多様なイカ類に広がり、現在はタコにも熱い視線を送っている。2017年、「ヒメイカの交尾後精子排除によるCryptic Female Choice」で第8回日本動物行動学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Jampoo

    日本に生息する世界最小のイカ、ヒメイカ。 成り行きまかせに大学院から長年ヒメイカの研究をし続けた著者の不安定だが楽しそうなポスドク生活と共にヒメイカの生態、主に生殖と墨吐き行動について知れる。 画像と共に付けられたQRで動画も見れるのだが、特に捕食者目線のカメラでヒメイカが墨を使って逃避する映像は必見、墨を囮にされると本当にヒメイカを見失ってしまうのが実感できて感動した。

  • 於千代

    世界最小のイカであるヒメイカの生殖行動を研究した一冊。 ……なのだが、それ以上に著者の研究史が(失礼ながら)圧倒的に面白かった。 あまりにも紆余曲折に満ちた研究史で、「研究で食べていくことの大変さ」と「研究の面白さ」の両面がひしひしと伝わってくる。これから生物系の学部に進みたい、あるいは生物系の研究者を目指したいと思っている人は一読の価値あり。

  • 福ノ杜きつね

    興味深い記述に目が止まる。ヒメイカが、墨を捕食者からの逃走だけでなく、補食の際にも活用するというのだ。頭足類の墨といえば、煙幕やデコイとして使われるわけだが、対象の視覚を撹乱してから襲いかかる、注目を逸らして対象の背後を取る、といった、実に戦略的な行動を取るらしい。しかも、こうした手法は、補食が難しい対象にのみ使用されるとのこと。同じ頭足類のタコが、極めて高い知能を持つことが知られるようになって久しいが、イカについても、想像を超えた能力が明らかになる日が近いだろう。最後まで興奮の読書だった。

  • 完敗

    ヒメイカより著者の生態の方が面白かった。学歴コンプレックス、愚痴、自虐、承認欲求。「生物学者○○日記」みたいな感じで爽快さはあまりないが、読後感は決して悪くない。研究の中身は立派だと思った。

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