佐藤彰一(西洋中世史)

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禁欲のヨーロッパ 中公新書

佐藤彰一(西洋中世史)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121022530
ISBN 10 : 412102253X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

多くの宗教で、性欲・金銭欲などの自らの欲求を断ち切り、克服することが求められる。キリスト教も同様だが、それではヨーロッパにおける「禁欲の思想」はいつ生まれ、どのように変化していったのか。身体を鍛練する古代ギリシアから、法に縛られたローマ時代を経て、キリスト教の広がりとともに修道制が生まれ、修道院が誕生するまで―。千年に及ぶヨーロッパ古代の思想史を「禁欲」という視点から照らし出す意欲作。

目次 : 第1部 古代の禁欲心性と史的系譜(古代ギリシアとローマの養生法/ 女性と子供の身体をめぐる支配連関/ 抑圧の社会的帰結/ キリスト教的禁欲への道程/ 社会的禁欲における女性の役割)/ 第2部 ポスト・ローマの修道制(東方修道制の西漸/ 聖域と治癒/ 聖マルティヌスによる宗教心性の転換/ レランス修道院とローヌ修道制/ ポスト・ローマの司教権力と修道院)

【著者紹介】
佐藤彰一 : 1945年山形県生まれ。1968年、中央大学法学部卒、1976年、早稲田大学大学院博士課程満期退学。名古屋大学教授等を経て、同大学名誉教授、日本学士院会員。『修道院と農民―会計文書から見た中世形成期ロワール地方』により日本学士院賞受賞。専攻・西洋中世史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Koning

    サブタイトルの修道院の起源というのがベネディクト会以降の組織的に確立された修道院制度のできるまでの前史ということらしい。基本下半身な話をいかにすべきか?ということでギリシアローマから始まるんだけど、ユウェナリスを持ってくるのはいいんだけど、ローマ時代や中世において誤用の方の意味が主であるという書き方はどうなのよ?というとこからどうにも微妙な気分で読む。のだけど、やっぱりいろいろと微妙になんかどうよ?と突っ込みたくなる記述が多くてだんだん萎えてくる(汗。どうも、もやもやしたままなので別の本を勧めたい感じ。

  • テツ

    ヨーロッパにおける修道院の成り立ち。俗世から離れ禁欲生活を送り主へ捧げる祈りだけを拠り所とする。肉体的な欲望も精神的な欲望も人間が生きる上での活力になることは確かだろうし、おそらく種としての人間全体が進化するための原動力にもなるんだろう。それでも禁欲という縛りを自らに課して生きるに至るには、そうして集団で暮らす場所を形成したことにはどんな意味があったのか。全ての欲望を否定しようとは思わないが、並外れた強欲は罪だという思想は大切なものなのかもしれないよな。肉欲と物欲は簡単に人を破滅させてしまう。

  • こぽぞう☆

    キリスト教修道生活に先立つギリシャローマ時代の「禁欲」から書き起す。黄金伝説の索引を引きつつ読んだ。表面的なヨーロッパ史読んでると闇から現れヤミへ消えるような聖職者や修道女なとが沢山いる。彼らのあっち側を読むようですごく興味深い。この本はブックオフで何気なく手に取ったのだが、続きも読みたい。定価だと結構お高い。。ブックオフオンラインには在庫無し。こういう感じの本は中古市場になかなか出回らないのよね。

  • fseigojp

    カソリックや正教の原点は修道院にある その根本は禁欲である なお、ロシア正教には修道士であることを必須としない長老という制度がある カラマーゾフの兄弟のゾシマ長老など。 聖マルチヌスの出現で、ドルイド的な聖地の廃棄がおこり禁欲的生涯を送った聖人への信仰(カソリック的)が始まる

  • shizuca

    ようやく読了。後半、一気によむスピードが落ちてしまいました。途中のエジプトの隠修士の話は楽しくてすらすら読めたのですが、聖マルティヌスを過ぎてからどうも手が進まず……。いまではヨーロッパ=キリスト教ですが、たしかにキリスト教が誕生したのはヨーロッパではないですものね、それがローマへやってきてローマから各征服地へと考えるとまた違った面が見えてきて面白かったです。欲望を押さえ込むために昔の方々はいろんなことを実践したんだなぁと感心するばかりです。

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