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佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画 エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室 星海社fictions

佐藤友哉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065264577
ISBN 10 : 406526457X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan

Content Description

青春は美しくない。私の場合もそうだった。二年B組に現れた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。コスプレを通して自己変革する少女。ぐちゃぐちゃに虐められる少女。人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして…予言者達。私は連中の巻き起こす渦に呑まれ、時には呑み込んで驀進を続けた。その果てに用意されていたのは、やはりあの馬鹿げた世界。…予言。あの時の私は、それで何を得たのだろうか。ま、別に知った事じゃないけどさ。

【著者紹介】
佐藤友哉 : 小説家。1980年生まれ。2001年に『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』(講談社ノベルス)で第21回メフィスト賞を受賞しデビューする。2007年『1000の小説とバックベアード』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞。近年では純文学をメインフィールドとして活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ほたる

    考えられうる条件というものはギリギリ発想をすれば出てくるもので、だからこそ密室の謎は解けるのかなと。よくわからないけれど非常に読みやすいのはフリッカー式と変わらず。終盤戦は怒涛の開示で、驚きも驚きで何を読まされてるのか……でもやっぱり憎めない一冊で、てっきり鏡家がやばいものばかりと思っていたが、この世界全体が既にやばいということがよくわかった。とんでもない世界観の中で成り立つミステリもあるのかもしれない。

  • じーつー

    鏡家サーガとして『フリッカー式』に続くものと思っていたけど、むしろ過去に遡って綾子が高校生となっている。 『フリッカー式』でも見えた綾子の予言について深掘りをされつつ、そうはいってもやっぱり謎は謎のままで。 しかも『フリッカー式』以上に狂った世界。 綾子のような予言者が何人もいたり、人しか食べられなくなった少女がいたり、コスプレを擬態に変える子がいたり、そもそも完全な擬態...と言えないかもしれない能力があったり、 5人の異なる視点で発声している問題が少しずつ集約して繋がるのはめちゃくちゃ面白かった。

  • いりあ

    佐藤友哉が2001年に発表した鏡家サーガの2作目。前作フリッカー式の10年前を描いた作品です。鏡家の次女、鏡稜子の学生時代に起きた殺人事件を中心にした学園ミステリの皮を被った得体の知れない何か。前作同様に荒唐無稽な世界が展開します。登場人物の視点がコロコロと入れ替わるので話についていくのは大変です。とにかく作者と周波数を合わせない読み通すのが苦行になると思います。また、グロさが前作より増量されているので、読む際は注意が必要です。00年代って、こういう作品が多かったけど、最近はあまり見かけなくなりました。

  • 亜済公

    他人を食い物にしたカニバリストは自我を失い、自分を卑下し続けたコスプレイヤーもまた他者の模倣へと成り下がる。強者と弱者は入れ替わり、特別であるはずの鏡稜子はあっという間に凡庸へ落ちる。吸血鬼は姿を変え、ドッペルゲンガーは「自分」を奪い、事件の根源は単なる満足。あらゆるアイデンティティを危機に陥れる、破壊を志向する小説だった。半ば破綻してはいるけれど、面白い。

  • ささやか@ケチャップマン

    やはり純粋にミステリとして評価すると設定がめちゃくちゃかつ後出しのせいで下げざるを得ないが、ミステリ要素のある小説だと思えば問題ないし面白いと思います。ぐちゃぐちゃな暗黒感と勢い。ラストの目的とゴボウが生きてる理由がよくわからなかったので誰か教えてください(切実)。

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