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浮気な王の宮廷生活 スペイン・ハプスブルクの落日 講談社学術文庫

佐竹謙一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065362297
ISBN 10 : 4065362296
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

政治には関与せず無気力。日々、絵を描き芝居を観て祝宴に列し、女性とみれば女優に修道女、宮廷の侍女から街の娼婦まで口説かずにはいられない。そんな愛欲に溺れる己に苦しみ、罪悪感から神にすがっては懺悔ずる‥。
華やかなりしスペイン帝国をみるみるうちに凋落の一途へと導いた、国王フェリペ4世(1605−65 在位 1621−65)。
悪名高き意志薄弱な王は、いかに誕生したのか。その放埒な生活と晩年の不如意な人生と死を第1部に。凋落するスペイン帝国の実態を第2部に構成。様々な噂話やエピソードかスペイン・ハプスブルクの影を活写する。


目次
はじめに
第一部
第1章 スペイン国王フェリペ四世、誕生
王子の誕生と教育/王子の理想像/結婚、そして王位継承へ/寵臣オリバーレスと王家の人々
第2章 浮気な国王の放埒な宮廷生活
祝宴につぐ祝宴/王宮での日々/芝居を楽しむ/十七世紀式闘牛、マヨール広場にて/《狩猟をするフェリペ四世》/宮廷式求愛/宮廷画家ベラスケスと絵画コレクター/宮廷のおどけ者たち
第3章 フェリペ四世の告白できない告白
スキャンダルの始まり/女優〈ラ・カルデローナ〉との恋の戯れ/女子修道院に忍び込む/賢夫人イサベル王/ライバルは「ドン・フアン」/伯爵暗殺
第4章スペイン帝国の危機と王家の不幸
マントヴァ継承戦争とネーデルランド/カタルーニャとポルトガルの反乱/寵臣オリバーレスの失脚/権力の後継者ルイス・メンデス・デ・アーロ/イサベル王妃とバルタサール・カルロスの死/跡継ぎが生まれない!/「大地の息子」フアン・ホセ・アウストリア以後
第5章 世俗を逃れて/恩寵を求めて
神秘家マリア・コロネル/「余に天罰を!」/魂の国からのアドバイス
第6章 国王の晩年と黄昏れゆくスペイン
苦悩の晩年と国王の死/ハプスブルク家からブルボン家へ
第二部
十七世紀スペインへの望遠鏡(テレスコープ)
ハプルブルク・スペインのかたち/人々の生活とカトリック教会/異端審問と「アウト・デ・フェ」/黄金世紀、百花繚乱

《注》
あとがき
主要参考文献
人名索引
学術文庫版あとがき

本書は、『浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活』(岩波書店 2003年3月刊)を改題、加筆・一部修正したものです。


【著者紹介】
佐竹謙一 : 石川県金沢市生まれ。スペイン・グラナダ大学に留学、米国・イリノイ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。南山大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • MUNEKAZ

    楽しげなタイトルに反して、内容は薄暗い印象。当時のゴシップや文学作品も取り入れながら、フェリペ4世時代のスペイン帝国の落日を語る。人間的には決して悪人ではないものの、意志の薄弱さが致命的な王の苦悩が、数々のエピソードからなんとも嫌なリアリティを持って伝わってくる。本書でも分析されているように、スペインの凋落は複合的な要因があり、王の不善にすべてが帰するわけではないが、それでも危機の時代に舵取りをするには、ふさわしい人物ではなかった。立派な肖像画とその実像のギャップが、そのまま彼の治めた帝国の状況と重なる。

  • 後半は16、7世紀のスペインの状況をざっと知るには良いかもしれない。ドンキホーテを読む前にも。

  • 眉毛ごもら

    題名はセンセーショナルだが中身はいたってお硬い。ベラスケスの絵画のイメージが強いがかなり内情は火の車&近親婚で生まれた多数の王子女達が夭折し次代には御家断絶してしまうそんな時代のお話。堅苦しさと退廃って両立するんだなと。女好きだろうが仕事ができれば良いのだが優柔不断で芝居で浪費をし、寵臣に政治を任せっぱなしはキツイ。スペインは陰鬱というイメージが一部にあるらしいがこれを読むと納得である。第二部でカトリックの理想を体現しようにも国内の異教徒や異端者、プロテスタントの興隆などでうまく行かないところが生々しい。

  • Nunca Me Rindo

    17世紀、スペイン黄金時代が治世と重なったフェリペ4世伝を中心とした歴史もの。性的な放蕩ぶりは咲熊氏のYouTubeを観てたから少しは知ってた。興味深かったのはラス・メニーナスにも描かれてる道化者たちの項。堅苦しい宮廷の雰囲気を和ませるという役割が重要であり、地位も高かったというのを初めて知れて勉強になった。まぁハプスブルク朝は近親婚の被害者であるカルロス2世が家督を継いだ時点で詰みですな。

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