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時間とテクノロジー 「因果の物語」から「共時の物語」へ

佐々木俊尚

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334951290
ISBN 10 : 4334951295
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan

Content Description

私たちが有史以前から世界を理解してきた時系列の因果に沿った方法、「因果の物語」。人間は他の生命にはない自意識を持ち、「因果の物語」によって世界を認識することで、文明を発達させてきた。しかし自意識は同時に、「因果の物語」に沿って人生の目標やゴールを決めなければならないということを強制してくる。暮らしがいずれ豊かになっていくことを期待できた時代には、それに納得できる部分もあった。しかし二十一世紀の私たちは、そういう自由な選択による目標の設定を、抑圧として感じるようになってきている。その時代には、時系列に沿った人生の目的を考えるのではなく、新しい哲学が必要になる。それはすなわち、私たちは生きているからこそ生きているのであって、そこには過去も未来も現在もなく、「生きよう」と思った瞬間に「生」はただ立ち上がるのだという直感的な認識なのではないだろうか。最新の学問と技術から考察した「新しい人間哲学」ここに誕生。

目次 : プロローグ 未来は希望か絶望か/ 第1章 鮮明な過去はつねに改変され、郷愁は消える/ 第2章 過去は「物語」をつくってきた/ 第3章 「因果の物語」から「機械の物語」へ/ 第4章 「自由」という未来の終焉/ 第5章 摩擦・空間・遍在のテクノロジー/ 第6章 新しい人間哲学の時代に/ エピローグ ひっそりと、ともに歩く

【著者紹介】
佐々木俊尚 : 1961年生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。作家・ジャーナリスト。毎日新聞社などを経て2003年に独立し、テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く取材・執筆している。著書多数。総務省情報通信白書編集委員。共創コミュニティSUSONO運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • タナカとダイアローグ

    これからの未来はこうなる的な書籍はよくあれど、未来の認知はこう変わるのでは?という書籍は貴重なので、ありがたい視点だった。キュレーションがすごい。ストーリー(通時)より、いま(共時)のほうが優先されるという。たしかに、テクノロジーによって偏在が可能になるし、データとして過去も今も区別がつかなくなる(アーカイブ)今の気分に合っているものが善、合わないものが悪になるるという、いわば動物的な生き方が時代に合ってくるのかと。(たぶん著書ではこんな言及はしていない)テクノロジーが認知を変えるよね、そうです。

  • DEE

    このタイトルから中身を想像することは難しい。でも読むとなるほどと思える。 時間軸の中で生きているという感覚は思い込みでしかなく、我々は今この瞬間のみを生きている。そこに因果はなく、過去も未来も、全てはこの瞬間のみに存在する。そして因果からの脱却という動きはテクノロジーにより加速する。 そのことを数学や歴史、人体や物語など様々な角度から具体例を挙げて解説する。 自分の拙い説明だとエセ科学と誤解されかねないが、決してそんなことはないきちんとした内容。

  • 月をみるもの

    因果こそが物語そのものであって、確率も冪分布もシンクロニシティも、因果の代替物になり得ていない。因果の鎖から解き放たれて悟りを開いた釈迦牟尼が、なぜわざわざ他の人間にその体験を伝えようとしたのか? などと考えてしまうのは、そこに理由=因果=物語を求めてるいるからなんだよね。。。

  • teddy11015544

    再読。様々な表現のアーキテクチャの開発が人類の社会認識の革命的進化の予兆を告げている。しかし時間軸を表現に含む言語や映像表現の理解では物語つまり因果論からの跳躍は不可能なのかもしれない。とどのつまり素の脳の機能の限界なのかもしれないが、AIと脳が組み合わされることで、テッド・チャンの「あなたの人生の物語」で異星人の使っていた言語のような新しい曼陀羅のような表現手段を獲得すれば、まさに共時的世界観は完成するのではないだろうか。人類にこれまで宗教や科学が与えたような役割を持つ何かが生まれるのかもしれない。

  • Hiroo Shimoda

    真価は終盤。テクノロジーにより一直線な時間の間隔、因果が失われる中で我々はどう生きていくのか?その答えはマインドフルネスにも通じる発想でexciting。

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