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あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン 講談社現代新書

住吉雅美

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065193778
ISBN 10 : 406519377X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

常識を揺さぶる「究極の問い」にあなたは何と答えますか??社会に飼い慣らされないための“悪魔の法哲学”。「正義」「権利と義務」「自由」「平等」「功利主義」「アナーキズム」考えることの楽しさがわかる、青山学院大学で大人気の授業!!

目次 : 第1章 社会が壊れるのは法律のせい?―法化の功罪/ 第2章 クローン人間の作製はNGか?―自然法論vs.法実証主義/ 第3章 高額所得は才能と努力のおかげ?―正義をめぐる問い/ 第4章 悪法に逆らうワルになれ!―遵法義務/ 第5章 年頃の子に自由に避任させよう―法と道徳/ 第6章 大勢の幸せのために、あなたが犠牲になってください―功利主義/ 第7章 人類がエゾシカのように駆逐される日―権利そして人権/ 第8章 私の命、売れますか?―どこまでが「私の所有物」か/ 第9章 国家がなくても社会は回る―アナルコ・キャピタリズムという思想/ 第10章 不平等の根絶は永遠に終わらない―どこまで平等を実現できるのか/するべきか/ 第11章 私には「誰かに食べられる自由」がある?―人はどこまで自由になれるか

【著者紹介】
住吉雅美 : 1961年、北海道生まれ。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。山形大学人文学部助教授を経て、青山学院大学法学部教授(法哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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まずタイトルがよくない。まともにきちんと...

投稿日:2021/06/27 (日)

まずタイトルがよくない。まともにきちんと法学部で学問としての法学をやった人間なら、この程度のことは普通に考えている筈。これを「常識に楯突く」とかいうのは、法というものをきちんと考えたことがない人だろうと思う。言い換えると、クセのある内容ではあるけれど、それほどとんでもないわけでもない。ただ、では、入門になるかというと、率直に言えば法哲学のテキストの類を読んだ方がいいとは思う。お手軽ではありますね。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    クセのある文章に好みが別れるかもしれないが、そもそも法哲学というものを全く知らない私には、とても勉強になる一冊だった。法律と道徳の関係、功利主義が選別思想に傾きやすい恐ろしさ、正義に関するロールズとノージックの論争、それを踏まえての福祉のあり方、何が平等かなど、現実の法体系の基盤となる「法哲学」なるものの一端に触れることができた気になってくる。「自発的な売春は是か非か」「なぜ自分で酒を造ってはいけないか」など具体的な問題設定も面白く、楽しい思考実験ができた。思いがけずいい本に出会った時の、幸せな気分…。

  • ころこ

    大変読み易く、著者の思想性も邪魔していない。政治哲学や経済思想と重なる、興味を持った人にはこれ以上簡単な本は無いというくらい、教科書的な本としては完璧な内容かと思います。著者がタイトルに込めたのは「悪魔の顔」ですが、最近よく聞く「とりあえず法律を守れ」風の言説をする人には理解し辛いかも知れません。物事を加害者と被害者に分けて考えたり、責任追及が甘い、量刑が軽すぎると考えたりするのは、正義が貫徹されていないからなのか、それとも「法化社会」が日常風景になってしまったからなのか、そういう疑問が「悪魔の顔」です。

  • kei-zu

    「悪い」から法律が必要なのか、法律が「悪い」と決めるのか。鶏が先か卵が先か。 本書は、ベンサムの功利主義などの思想史を振り返るとともに、クローン人間や臓器移植など現代的な問題を読者に突きつける。明確な答えはなく、読者は価値観を揺さぶられる。 題材の特異さだけでなく、漫画のフレーズが時折引かれる語り口も楽しい。 「不平等な現実のみが平等に与えられている」(「呪術廻戦」より)

  • yutaro13

    法哲学というと堅苦しく感じるが、著者の軽妙な語り口のおかげで気楽にサクッと読める本に仕上がっている。ロールズとノージックの対比など法哲学の基本的な要素をおさえた上で、法律とそれを支える学や常識に疑問を呈して楯突いていくスタイル。当たり前の存在として普段意識することのない法や常識を疑え、盲信するな、との主張が散りばめられている。自らを「アナーキズムの側に立っている」とする著者は、国家を否定するアナルコ・キャピタリズム(無政府資本主義)に基づく社会を素描する。緊張度の高い社会になるのは間違いない。。

  • しゃん

    法哲学の教科書で書かれているテーマや哲学者が網羅的に押さえられているなという印象。ロールズの正義の2原理の解説は、この本が一番分かりやすかったかも。数多くの卑近なエピソードで法哲学の論点が説明されているので、最後まで興味深く読むことができたが、漫画をあまり知らない私には漫画のたとえはあまりピンと来なかった。「専門的知識と能力という点では有能であっても、人間として思考することを放棄してひたすら命令に従い続け、その結果については上司に責任転嫁する」アイヒマンのくだり(P.100)は参考になった。

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