Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 海猫

  読了日：2023/08/27

  第17回小学館ライトノベル大賞《大賞》受賞作。化物を喰らうさだめの娘・獄門撫子と胡乱な謎の美しい女・無花果アマナが怪異に立ち向かう。第一章の八裂島家のシチュエーションで全編いくのかな？と思いきや、章ごとに事件が変わるので連作長編のような構成。2人の主人公の身上や過去が、章を追うごとに判ってきて効果的。関係性の変化もよく描けている。各章の怪異や化物の描写も堂々たるもので正直、かなり怖かった。文章の密度が高く言葉選びも適切で、雰囲気が熟成している。百合ラノベとしても秀逸で、いろんな切り口から読める作品に思う。

• オセロ

  読了日：2023/08/19

  怪異ひしめく京都で呪術を操る無耶師はもとより、化け物にまで恐れられる獄門家の末裔の撫子。そんな撫子を恐れることもしない奇妙で胡散な美少女・無花果アマナとの出会いが撫子を変えていく少女奇譚。 硬い文章ではあるものの、気にならないぐらいグイグイストーリーに引き込まれていきました。そして次々と怪異が引き起こす問題に立ち向かううちに互いを必要としていくバディものとしても、複雑に絡み合う2人の因果を断ち切る為に本音をぶつけ合うラストも素晴らしかったです。

• よっち

  読了日：2023/08/17

  霊能力者の無耶師や、化物にすら畏怖される獄門家。その末裔たる娘・獄門撫子が、自らを恐れもせずに笑う無花果アマナとの出逢いにより少しずつ変わってゆく伝奇ファンタジー。美しく忌まわしい化物を喰らうさだめの少女と、普通の人間を自称するアマナが立ち向かう、無耶師の旧家に出た鬼退治、箱詰される人身御供、学園にあざなえる呪い、人を幻惑するけもの、かたちなき化物。積み重ねてゆく二人の関係性と、明らかになるそれぞれの背景があって、繋がってゆく過去の深い因縁を断ち切って、大切なものを見事取り戻した鮮烈な結末が印象的でした。

• まっさん

  読了日：2023/09/15

  ★★★★★ 素晴らしい…本当に面白かったです。 魑魅魍魎の化け物がひっそりと跋扈する現代において、化け物すら畏怖する凶家「獄門家」の娘･獄門撫子は、ある日胡乱な美少女･無花果アマナと出会う。花天井に潜むもの、箱詰人心御供、他者を絞め殺す呪い、人を取り替える化け物。数多の怪異へと挑むうち、鬼の身体にヒトの心を宿した少女とヒトの身に人ならざるものの魂を宿した少女は、己の業に向き合う事になって…というお話でした。 ガガガ文庫大賞受賞作。ちょっとこれはレベルが一つ上というか、しっかりとラノベという枠組みで勝→

• えーた

  読了日：2024/02/19

  第17回小学館ライトノベル大賞《大賞》受賞作。読友様の影響で。現代京都を舞台とした怪異バトルもの。魔物を喰らって生きる鬼の凶家の末裔・獄門撫子と胡乱な自称女子大生・無花果アマナの二人が血飛沫と肉片を飛散させながら京の都に蠢く魍魎共を次々と退治していくストーリーは、私が今ハマっているゲーム「仁王２」を思わせ、良きです。終盤ではこの美少女達が織り成すガール・ミーツ・ガール、あるいは百合小説的な魅力もバチバチ爆ぜまくる中々の逸品でありました。これがデビュー作品っていうんですから著者には伸びしろしか感じないです。

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