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ハーモニー 新版 ハヤカワ文庫

伊藤計劃

User Review :5.0
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150311667
ISBN 10 : 4150311668
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

優しさと倫理が支配するユートピアで、3人の少女は死を選択した。
13年後、死ねなかった少女トァンが、人類の最終局面で目撃したものとは?
オールタイム・ベストSF第1位

21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。
医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。
そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した――

それから13年。
死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、ただひとり死んだはすの少女の影を見る――
『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。

【著者紹介】
伊藤計劃 : 1974年10月生まれ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。「ベストSF2007」「ゼロ年代SFベスト」第1位に輝いた。2008年、オりジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞。2009年3月没。享年34。2011年、英訳版『ハーモニー』でフィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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伊藤計劃の最高作品はやはり、この「ハーモ...

投稿日:2021/04/19 (月)

伊藤計劃の最高作品はやはり、この「ハーモニー」ということになるだろう。「虐殺器官」 はやや衒学的で読みづらさを感じた人にも、「ハーモニー」はおすすめできる。非常に読みやすいが深い作品になっている。映画もやや作画に不満があるが、楽しむことはできた。

カーク さん | 東京都 | 不明

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きっとこの人は、個人と世界の関わりを「SF...

投稿日:2021/02/23 (火)

きっとこの人は、個人と世界の関わりを「SF」というツールを使って、解きほぐそうとしていたのだろう。R.I.P.

Joe さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ハッシー

    【ユートピアの限界】▶平和で優しさに満ち溢れた世界は理想郷ではなく、地獄だった。真綿で首を絞められるように「やさしさ」がじわじわと、空気や雰囲気を伝って意思を制限していく。全ての人々が幸せである世界では、わたしが「わたし」であることを許さない。▶膨大な知識量と理論に裏打ちされた世界観の構成がSFを現実の物語のように感じさせる。人間の「意思・意識」について根源的な問いかけを提起した作品。

  • おかむー

    純粋な伊藤計劃オリジナル長編としては『虐殺器官』とこの『ハーモニー』だけなのだね。哲学的なところは同じだけど『虐殺機関』よりは読みやすかったかな。『よくできました』。医療が発達し、優しい倫理で人々が支えあう“しあわせなセカイ”、その世界の息苦しさを嫌悪する主人公・トァンの視点は意地悪くとらえれば実に中二病ではあるけれど、結末に至ればそれも納得。物語の最後に到達したのは“補完された世界”なのか“人類すべてが哲学的ゾンビになった世界”なのか。それはともかく巻末のインタビューと解説も理屈っぽくて難しい(笑)

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    最近、嫌だなと思ったのは「禁煙教室」のCMである。社会がじわじわと『幼女と煙草』のような「公共の幸福」のために「個人の意思による選択による幸福」を強烈にバッシングする世界になりつつあると感じるからだ。しかし、そんな世界に抵抗するのに個人の力は余りにも無力だ。だからこそ、折り合いをつけなければならない。しかし、折り合いをつけたとしても「個人の意思」があり続ければ、永遠に幸福になることはできない。あなたは、絶望を感じることができる「個人の意思」と永遠に幸福だと思う「公共の幸福」のどちらを選択しますか?

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    以前、父は晩酌の席で織田信長の言葉を引き、「今の長寿高齢社会は異常だ」と言っていた。以前はカロリーが低いマーガリンが持て囃されていたのに今ではマーガリンはアルツハイマー病を引き起こすかもしれないトランス脂肪酸を含むと発表された。価値は逆転しながらもじわじわと健康的で静かなヒステリーとも言える身体・精神共に健康志向になりつつある今だからこそ、この作品の空気は息苦しい。そしてPSYCHO-PASS2の鹿矛囲にも共通していた「人は自分の思い通りになる」と考える傲慢さを打ち砕いたのはトァンではなく、キアンだと思う

  • ALATA

    日本SF大賞。これは難しい、何度も挫折しそうになってようやく読了。ストーリー的には地球上にウィルスが蔓延した近未来を管理する「政府」と対峙する勢力「ハーモニー」という図式がアニメ的でちょっと読めたかな。理想郷と思われた世界が実は息の詰まるような見せかけのユートピアだった。う〜ん、これは私には向かないかなぁ。★2※世界同時自殺?というミステリー的なものもあるが、明るい兆しが見えない未来が描かれちょっと辛い。

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