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デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か 中公新書

伊藤亜聖

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121026125
ISBN 10 : 4121026128
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

デジタル技術の進化は、新興国・途上国の姿を劇的に変えつつある。中国、インド、東南アジアやアフリカ諸国は、今や最先端技術の「実験場」と化し、決済サービスやWeChatなどのスーパーアプリでは先進国を凌駕する。一方、雇用の悪化や、中国が輸出する監視システムによる国家の取り締まり強化など、負の側面も懸念される。技術が増幅する新興国の「可能性とリスク」は世界に何をもたらすか。日本がとるべき戦略とは。

目次 : 序章 想像を超える新興国/ 第1章 デジタル化と新興国の現在/ 第2章 課題解決の地殻変動/ 第3章 飛び越え型発展の論理/ 第4章 新興国リスクの虚実/ 第5章 デジタル権威主義とポスト・トゥルース/ 第6章 共創パートナーとしての日本へ

【著者紹介】
伊藤亜聖 : 1984年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程満期退学。博士(経済学)。専門は中国経済論。人間文化研究機構研究員などを経て、2017年4月から東京大学社会科学研究所准教授。著書『現代中国の産業集積―「世界の工場」とボトムアップ型経済発展』(名古屋大学出版会、2015年、大平正芳記念賞、清成忠男賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    最近のアフリカや中国の実情に触れる中で、またニュースに見られる米中のデジタル技術を巡る対立への理解を深めようかと本書を手に取ったが、正解だった。デジタル技術の浸透は可能性と脆弱性を拡大するという基本視点は重要だと思う。ビッグデータに含まれうる個人情報の扱い如何で、監視国家化しかねないのは、ネットで検索するとそれが様々な広告に反映しているという、個人的には不気味な状況から日常感じているからだ。そうなると、デジタル情報の受け手側の意識の向上がどうしても求められると思うが、本書はその点の指摘は弱い感じがした。

  • hatayan

    デジタル化の影響について新興国の動きを事例に広い視野で解説。新興国では後発の強みを生かして携帯などの次世代技術が爆発的に普及。2010年代以降新興国のIT企業は先進国企業が提供するインフラに立って事業を展開。デジタル経済によって生まれる人材はツールを開発できる「IT人材」、情報を発信できる「クリエイター人材」、特殊な技能は不要な「ラスト・ワンマイル人材」に分類。コロナ危機で欧州では多くの情報を活用する方向である一方、権利意識の低いとされていた中国では個人の権利を保護すべきとなっているのを興味深いとします。

  • 速読おやじ

    デジタル化により新興国の成長ストーリーが大きく変化した。南北問題の時代から工業化、市場化を経て今デジタル時代に突入している。可能性と共に脆弱性も見えてきている。デジタル社会・ネット社会のかつての予想は国境をなくし、フラットな世界になるとのことだったが、中国を始め各国はデジタルを国家の武器にしつつあるのではないか?デジタル化による失われる雇用は、そして新たに生み出される雇用は?→生産性が高いデジタル人材はさほど数は生まれない、結局生まれるのはラストワンマイルの配達人などのインフォーマル雇用だという。

  • きみたけ

    中央公論2019年12月号に寄稿した「デジタル新興国論」を拡張し出版した本。冒頭に新興国でのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる現状を報告。衝撃的なのは、今後の見通しでは自動化で失われる雇用が47%あることと、世界のインターネットユーザーのうち自由なアクセスが20%で「スプリッターネット」と呼ばれる部分的な自由や不自由なアクセスが60%を占めていることに驚きました。最後にコロナ危機によってデジタル化を加速させる記述がありとても共感を覚えました。全体的には少し難しい内容でした😅

  • おせきはん

    デジタル化が新興国で急速に進む現状を解説した後、日本が取るべき戦略についても論じています。デジタル化は、個人と事業者の間の信用に対する不安を補完して生活や経済の向上に貢献するプラットフォームにも、人々を監視するツールにもつながります。だからこそデジタル技術の活用について、世界の人々にとって妥当な仕組みと運用を構築することが今まで以上に重要になると思いました。

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