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真実の航跡

Jun Ito

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087711806
ISBN 10 : 4087711803
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan

Content Description

太平洋戦争中に起きた非道な捕虜殺害事件。
戦後、BC級戦犯裁判で浮かび上がった、驚愕の真実。
法の正義はどこにあるのか――。
一人の若き弁護士が、“勝者なき裁判”に挑む。圧巻の歴史小説!

昭和19年3月、大日本帝国海軍の重巡洋艦「久慈」は、インド洋でイギリス商船「ダートマス号」を撃沈。救助した捕虜を殺害した。
敗戦後、「久慈」艦長であった乾と、「久慈」が所属していた第16戦隊の司令官・五十嵐は、戦犯として起訴される。戦犯弁護人として香港にやってきた若手弁護士の鮫島は、裁判資料を読み込むうちに、この事件の――大日本帝国海軍の――抱える闇に気づいていく。


【著者略歴】
伊東 潤(いとう・じゅん)
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。2011年『黒南風の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を受賞。


【著者紹介】
伊東潤 : 1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • いつでも母さん

    敗戦国・日本の『日本人の魂』を持って五十嵐司令官は責任者として絞首刑に臨む。戦犯裁判で法の正義など絵に描いた餅なのだ。が、その弁護を担った若い弁護士・鮫島の苦悩と奮闘を、伊東作家が今の日本を嘲笑うかのように突き付ける。どこまでが真実か、何があったのか、どう活かされるかを私達は今また知ることになる。事ここに至る時、人の真価が試される。苦しい読書になった。今、この国は五十嵐の望んだ国になっているのだろうか。私達は『日本人の誇り』を持っているだろうかー

  • starbro

    伊東 潤は、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか? 第二次世界大戦後のB級戦犯軍事法廷物の感動作、ドラマがありました。戦勝国が敗戦国を裁く軍事裁判は、茶番でしかありません。五十嵐中将は武士の鑑でした。

  • yoshida

    伊東潤さんが戦争関連の作品を書いたのは初めてではなかろうか。戦後のBC戦犯裁判。英領香港の法廷で裁かれる海軍の五十嵐と乾。弁護の為、香港に赴く鮫島。戦勝国の裁判であり有罪は確定している。鮫島は法の正義の為、日本の新生の為、裁判に挑む。印象に残ったのは「忖度」と「空気を読む」、そして「仕方ない」。様々な事柄に、これらの要素が絡んでくる。そして何より、現在でもこの状況は色濃く残っている。政界に、会社組織に、日本人の美徳でもあり弊害でもあろう。戦後の日本で、この空気が払拭されていないことに危うさを感じた。力作。

  • のぶ

    裁判小説としても、戦争文学としても読み応えがあった。太平洋戦争最中に起きた一つの事件。日本の巡洋艦「久慈」は、インド洋でイギリス商船の「ダートマス号」を撃沈、救助した捕虜を殺害した。戦後に艦長だった乾と、司令官の五十嵐は、戦犯として起訴される。弁護にあたるのは鮫島。BC級戦犯の話は今までに何冊か読んできたが、戦場では誰もが異常な状況になっているので、それがどう裁かれるのかが読みどころ。当時の現場の描写はリアルだし、裁判もサスペンスとして面白く描かれていた。戦争の愚かさの一端を見た一冊だった。

  • buchipanda3

    戦後の戦犯裁判を描いたドラマ、骨太な内容で読み応えがあった。ただ、終盤、もっと本作の根幹(事件の真因)を追求する形の方にして欲しかったかなという印象も。本作は実際に起きた出来事をベースにしており、かなり細部まで描かれている。特に艦上での事件はあまりの惨状に声が出なかった。戦時中は他でも惨劇はあったと思う。ただこれは防げた可能性があっただけに悲惨さが際立つ。要因は「忖度」と「責任の所在の曖昧さ」という現代にも通じてしまうものだろう。法の正義を掲げて理想を追い求めた鮫島はこの2点を突き崩すことが出来たのか…。

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