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月まで三キロ

伊与原新

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103362128
ISBN 10 : 410336212X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。―月まで三キロ。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性が、小学生の娘に伝えたかったこと。―エイリアンの食堂。「僕ら火山学者は、できるだけ細かく、山を刻むんです」。姑の誕生日に家を出て、ひとりで山に登った主婦。出会った研究者に触発され、ある決意をする―。―山を刻む。折れそうな心に寄り添う六つの物語。

【著者紹介】
伊与原新 : 1972年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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著者の新境地と言える一作。ミステリを書か...

投稿日:2021/04/25 (日)

著者の新境地と言える一作。ミステリを書かせるとどこか野暮ったかったのが、ここまで素敵でスタイリッシュな作品を書けるとは。全編を貫く理系ならではの視点や豆知識が清新な印象を与えてくれて、とても読み心地がいい。

シン さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 青乃108号

    短編集は苦手。人物やら背景やらを把握するまでに時間がかかり、やっと状況がつかめた頃にもう終わり。そのような事を5回も6回も繰り返してようやく一冊が終わる。けれどもこの本はどの短編も掴みが上手で容易に作品世界に入っていける。どの話も良いが中でも【山を刻む】が一番好み。家族の中でいつの間にか自分自身を失ってしまったお母さんが山に登る。どんどん登る。いくつになっても、どんな状況であっても夢を諦めない。最後のお母さんの言葉に胸が熱くなった。

  • kou

    それぞれが、自然を対象にした職業を絡めた短編集だった。どの話も、読後感が良く優しい余韻に浸れる良作だった。直向きになれる事に出会えるのは、幸せな事だと思う。

  • nanako

    「八月の銀の雪」を読んで伊与原さんの作風に惹かれ、本作品を手に取りました。この作品も、何かしらの喪失感を抱えた人たちの話でしたが、素晴らしかったです。短編集で「山を刻む」が個人的には好みでしたが、どの作品も静かに、心に響いてくるような、大切な人との関係を、もう一度、改めて考えさせてくれるような素敵なお話でした。

  • ウッディ

    「月が地球から少しずつ離れているって知ってますか?」人生に絶望した男性が乗ったタクシーの運転手は理科の元高校教師だった。天体、気象粒子、地層、火山、科学に携る人と出会い、彼らの情熱と圧倒的な自然の真理に触れ、生き辛さを感じている人たちは一歩を踏み出す勇気をもらう。同じ時間に来店し、同じ規則性でメニューを注文する女性と母親を失った親子の触れ合いを描いた「エイリアンの食堂」が良かった。彼女がおすすめの日替り定食を注文しない理由にニヤリとし、「月まで三キロ」の行先標識を探しに行きたいと思った。面白かったです。

  • まーくん

    伊予原さん、初読み。短編6編。理系の「地学」の話がむき出しにストーリーの中に組み込まれていて、少し落ち着かなさを感じるのだが…。たしかに、月、雪、星、そんな題材を情緒的に描いたら安っぽいロマンティックな小説になってしまうだろう。ところが専門的素養に裏打ちされた自然へのストレートな向き合いが、人生の機微への優しい見方と相まって、その”落ち着かなさ”が新鮮な感覚を与えてくれる。途中で気が付いたのだが、ほとんどの話に”離婚”が絡んでいる。でも最後の短編「山を刻む」で描く、家庭に埋没した主婦の決断は幸い違った。

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