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ルカの方舟 講談社文庫

伊与原新

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062932271
ISBN 10 : 406293227X
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”から隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、教授の遺体と方舟形に加工された隕石が残されていた。小日向は“天才”百地教授と謎の解明に乗り出す。東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリー。

【著者紹介】
伊与原新 : 1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。専門は地球惑星物理学。『お台場アイランドベイビー』(角川文庫)で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    冒頭の液体窒素による殺人事件から中段のサスペンス、意外な動機と犯人という本格ミステリの正統な展開に、伊与原作品では最も忠実に従っている。パンスペルミア説を証明する可能性のある火星隕石を巡る科学の謎を核に、科学者の名誉欲や金銭欲が絡む汚れた思惑が明るみに出るプロセスが面白い。しかも天才と称された惑星科学者が、飄々とした姿で名探偵ぶりを発揮するのだから。最近は科学をテーマにしつつ青春・人情小説へ傾斜している著者だが、ミステリを書く才能は一部の専業作家より優れたものがある。ぜひ今後もこの方向を深掘りしてほしい。

  • papako

    『る』から始まる本を探していて、気になって。火星からの隕石を巡り、論文の偽装告発、殺人がおこる。隕石の調査や解析等々、専門的な内容が多く、ちょっと読みにくい部分もありますが、隕石や生命の起源にせまるロマンが感じられて、なかなか引き込まれました。研究者という人種の悲哀も感じられます。先日読んだ『捏造の科学者』でも感じましたが、『研究』という答えのない世界でがんばる人たちが陥る泥沼がひどく悲しいものだと思いました。次は『ね』

  • mihya

    面白かった。内容も興味深い。百地のキャラも好き。結末は切ない。参考文献が凄い。 オーストラリアの描写、「クリムゾンの迷宮」(貴志祐介)で見たやつよね。

  • kk

    辛くて先の見えない生活にもめげず、いつの日にか大発見をモノにしようと自分の研究に打ち込む若きポスドクたち。そんな彼らがアカデミアの黒い側面に曝されて煩悶するなか、哀しい事件が起きてしまうのです。ハードなミステリー・ファンにとっては、ひょっとしたらプロット的に物足りないかもしれませんが、人の生き方や感じ方を描く物語として、kkは惹かれるものを感じました。「天才」百地教授のキャラも面白いし、悲しいストーリーではあるものの、読後感はわりと爽やかでした。

  • すしな

    060-25.隕石を巡る殺人事件というミステリーの枠組みの中に、研究現場の厳しい現実が巧みに織り込まれていました。論文至上主義や研究費の獲得競争、上下関係の圧力など、日本の研究環境が抱える課題がリアルに伝わり、特にアストロバイオロジーのような基礎研究の困難さは想像以上に過酷でした。いろいろ伏線を回収して、事件の真相が明かされるわけですけど、地球の生命の起源に関する仮説が初めて聞く内容でそういう説もあるんだなと驚かされました。

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