総合診療アップデート 西伊豆特講

一言でいえば世界のトップジャーナルの読み方が分かる本です.New England Journal of Medicine,The Lancet, JAMAという世界3大誌の最近の10年間の総説の中から,総合診療にとって重要な論文が120取り上げられています.これによってそれぞれのテーマの世界レベルでの進歩が総覧できるのですが、読みどころはさらに著者がそれぞれの論文の内容を理解し、深化させるために、文献、URL、ML、知人、専門家に率直に質問したり、アクセスしているその様子がありのままに語られているところです.それを自身の臨床と結び付けています.「トップジャーナルの総説は中毒になるほど面白い」と言っていますが、たしかにワクワクしながら読んでいる著者のこころ模様がライブ感覚で伝わってきます.現在の情報インフラの時代なら、たとえ僻地で地域医療に従事していようと,常に知識をブラッシュアップすることができ、世界水準の医療が実践できるということ地で行っているようです.小説でも読むような肩苦しさのないエピソードを交えた文体で世界の最先端の医療が身近かに感じられる本です.
出版社からのコメント
本書を紹介する前に、まず驚くのは世界の三大トップジャーナルの論文がいかに臨床オリエンテッドで、実践的であるかということです.それを教えてくれていることが本書の最大の特長かもしれません.「西伊豆特講」とニックネームを付けましたが、「講義」というより「講釈」とでもいったほうがふさわしいタッチのなじみやすい文章です.ただし、中身は驚くほど高級です.患者に優しいだけでなく、進歩するワールドワイドな医学知識の獲得にこれほどエキサイティングに研鑽している姿こそが、より患者や地域住民との安心と信頼の形成に説得力を持つように思います.出版社としては、よき臨床医やよき研究者を目指すすべての方々に読んでいただきたいと思っています.

著者が院長を務める西伊豆病院は西伊豆という遠隔地にありながら,研修医教育の内容がレベルも高く、充実していることは今やつとに知られていて,都市部の大学や大病院からも研修を希望する医師があとを絶つことがないようです.小規模病院が研修医教育に取り組むことは、とても難しいことです.どうのようにしたらできるのか本書を読めばうなずけます.本書は著者の早朝カンファレンスでの講義録を約50%に縮小してまとめて出来上がったものです.わずか78床の規模の病院でありながら,24時間365日救急患者を受け入れることが著者のモットーであり、自負であり院長として率先して診療に携わっています.自治医大の一期生であり,いわば自治医大建学の精神を体現しているのではばいでしょうか.いわずとしれた永遠のベストセラー「手・足・腰診療スキルアップ」の著者でもあります.

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
仲田/和正
1978年自治医科大学卒業、静岡県立中央病院(現静岡県立総合病院)全科ローテート研修。1980年浜松医科大学麻酔科研修(4月~9月)、静岡県国民健康保険佐久間病院外科・整形外科。1984年自治医科大学整形外科大学院。1988年静岡県島田市民病院整形外科。1991年静岡県西伊豆病院整形外科。西伊豆病院院長。医学博士(学位論文:老人姿勢の研究)。ECFMG/VQE取得。英検1級。珠算6級。日本整形外科学会、日本プライマリ・ケア学会認定医に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【著者紹介】
仲田和正 : １９７８年自治医科大学卒業、静岡県立中央病院（現静岡県立総合病院）全科ローテート研修。１９８０年浜松医科大学麻酔科研修（４月〜９月）、静岡県国民健康保険佐久間病院外科・整形外科。１９８４年自治医科大学整形外科大学院。１９８８年静岡県島田市民病院整形外科。１９９１年静岡県西伊豆病院整形外科。西伊豆病院院長。医学博士（学位論文：老人姿勢の研究）。ＥＣＦＭＧ／ＶＱＥ取得。英検１級。珠算６級。日本整形外科学会、日本プライマリ・ケア学会認定医に所属（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）