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人はなぜ「自由」から逃走するのか エーリッヒ・フロムとともに考える

仲正昌樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784584139714
ISBN 10 : 4584139717
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan

Content Description

ブラック企業による「やりがい搾取」はなぜ起こるのか?ネット上でカリスマを賛美したり、敵を集中攻撃して炎上騒ぎを起こすことに時間を費やしている人は、何が楽しいのか?アメリカ人はなぜ、強権的政治手法をとるトランプ大統領を支持したのか?その傾向が世界中に広がっているのはどうしてか?孤独と不安が蔓延しているから、苦しくて、どこかに救いを求めているからなのか?ならば、政治的民主化と非合理的な社会慣習の解体が進み、高度の科学技術によって人間の能力やコミュニケーション・ネットワークが拡張し続けている現代社会で、孤独と不安を抱える人がどんどん増えているのは何故か?それらこそ、フロムが探求したことであり、「自分は何を苦しがっているのか、どうなったら自由だと感じられるのか」を考えるうえで様々なヒントを与えてくれる。

目次 : はじめに―なぜ今、『自由からの逃走』なのか/ 序章 全体主義を支える「自由からの逃走」/ 第1章 「自由の代償」とは何か/ 第2章 宗教改革がもたらした自由/ 第3章 「自由の二面性」を考える/ 第4章 「逃避のメカニズム」を知る/ 第5章 「ナチズムの心理」を知る/ 第6章 「フロムの希望」は:自由と民主主義/ 終章 「フロムの現代性と限界」を考える/ あとがき―コロナ後の社会を生きる

【著者紹介】
仲正昌樹 : 1963年、広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また、近年は『Pure Nation』(あごうさとし構成・演出)でドラマトゥルクを担当し、自ら役者を演じるなど、現代思想の芸術への応用の試みにも関わっている。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    世界各地で全体主義の足音が聞こえつつある現代において、エーリヒ・フロムの「自由からの逃走」を読み直そうというのは時宜を得た出版なんだろう。ただ本書は、「自由からの逃走」を読んでない人にとっては、丁寧な解題として意味があるのかもしれないが、そうでない者が手にして新たな気付きが得られるかと言うと……。ドラッガーとの関連など著者独自の視点はあるものの、仲正先生独特の妖刀で、現代に照らして、フロムが提唱する「積極的自由」を実現する社会のイメージを切り刻んでほしかったのに、なぜか優等生的な教科書で、少し拍子抜け…。

  • 1959のコールマン

    ☆5。最近ではあまり読まれなくなったフロムの代表作「自由からの逃走」。それをあえて選んだ著者に拍手。フロムだけじゃなくアーレント、フロイト、バーリン、ハイエク、ジョン・スチュアート・ミル、ルソー、マルクス、マルティン・ルター、カルヴァン、カント、ベンヤミン、アドルノ、ドラッカー、ホックシールド等といった著名人の考えを本文の流れの中で紹介している。また、サディズムとマゾヒズムに関する事まで考察に含め、複雑に入り組んだ「自由と服従」の関係を分かりやすく、しかもレベルを下げずに書いている。なかなかの力作である。

  • にいたけ

    フロムの自由からの逃走の解説本。先ずこちら読んでからオリジナル読むことをおすすめします。自由の無い社会から自由を勝ち取るために闘ったのにいとも簡単に勝ち取った自由を差出してしまったのは何故か?何故ファシズムに走ったのか?自由に生きるとはどういうことなのか?わかりやすく解説してくれて腹に落ちました。昨今のSNS正義警察等にも触れ、ファシズムに流れかねない時流を危ぶんでいます。読書会の課題本のオリジナルの方は今読むべき本なのかも知れません。

  • ころこ

    前世代から読み継がれてきた本は、その本の評価がどうあれ、読みたくないという心性がある。この前提が著者のシニカル理性批判と相性が良いのだが、『自由からの逃走』の時代的制約ではなく、精神分析に寄せた進化心理学的なアプローチや近代システムの逆機能の方に焦点を当てている。ユートピアが実現すると信じるマルクス主義者やフロイト左派とは異なるところを強調し読み替えているのは、著者らしい意地悪さが見え隠れする。『自由からの逃走』を既読のひとにも「あれ?こんな本だったけ」と思わせる論点が見つかるのではないか。

  • ふみあき

    ナチスの台頭にプロテスタンティズム(特にカルヴァンの予定説)に特有の心性が起因してるとか、どれだけ実証性があるか分からないけど、そういう説明も可能なんだと思う。権威主義、全体主義に対するフロムの処方箋は、バーリンのいう「積極的自由」を追求しつつ、個人を超える価値の称揚には警戒的であれというもの。非常に素朴でシンプルかつ常識的で、あまり驚きはないが、それは彼の思想が古典として、今では人々の考え方に広く行き渡っている証左か。

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